総世帯視聴率のことを、「HUT(households using television)」と言います。
HUTとは、視聴率調査の対象となっている世帯のうち、テレビをつけていた割合のことです。

HUTには「インターネットテレビによる視聴」も含まれますが、「録画」「ゲームによるテレビ使用」「パソコンやスマホによる視聴」は含まれません。
HUTの値は、「ゴールデンタイム」「全日」「プライムタイム」の3種類で確認します。
昨今はHUTの低迷がテレビ局の頭痛の種です。

テレビ見てる女の子
PIXTA画像:テレビ見てる女の子
1970年代後半より、一世帯で複数持つようになり、テレビを見る確率が高まっています。
HUTは、1970年代末まで「全日」「ゴールデンタイム」において、上昇か横ばいで推移していました。
1979年におけるリモコン付きテレビの登場は、視聴者にザッピング(テレビを視聴する際CMや番組の途中で、チャンネルを頻繁に切り替えながら視聴する行為)を可能にしています。

ザッピングが可能になったことで、バラエティ番組の数も増えていき、HUTは上昇しました。
しかし、1993年をピークにHUTは下落するようになります。
女性の社会進出やレンタルビデオ店の増加により、日中テレビを見る世帯は減少しました。
その後も、動画コンテンツの増加やスマホの登場により、HUTは1993年以降下落することになります。

近年は下降気味のHUTでしたが、三が日には過去10年間で最高値を記録しました。
コロナ禍で巣ごもり需要が増え年末年始は例年より、テレビを楽しむ人々が増えています。
外出やイベントを控え、普段とは異なる環境下での年末年始でしたが、定番の番組を見ることで安心感を得られたようです。

テレビは身近な情報源として、また生活の一部として、家族団らんに欠かせない役割を持つことがわかりました。
気晴らしや家族での楽しみとして、テレビの役割が見直されています。

(このページは2014年に掲載した記事を2015年と2021年6月に加筆修正更新したものです)