少し前まではコンテンツマーケティングといえば、メディアでの記事出稿やブログ、メルマガなどが中心でした。現在はこれらに加えて、動画コンテンツを活用したマーケティングが積極的に取り入れられています。

この記事では動画コンテンツの特徴や種類、活用するメリットや、動画の制作方法を紹介します。新たなマーケティング手法を模索している人は、この記事を参考に動画コンテンツの活用を検討しましょう。

スマホでオフィスの動画を撮影
Pixabay画像:スマホでオフィスの動画を撮影

動画コンテンツを活用したマーケティングとは?

まずは、動画コンテンツの特徴や、マーケティングにおいて動画コンテンツが注目されている背景について紹介します。

動画コンテンツとは?

動画コンテンツとは、その名の通り動画によって視覚的・聴覚的に発信される情報のことを指します。商品の紹介や販促、企業のブランディングやセミナーの素材など、現在ではマーケティングのさまざまな場面で動画コンテンツが活用されるようになってきています。

動画コンテンツは次のようなさまざまな形で、情報発信のツールとして活用されます。

  • Webサイトやブログ、記事などの埋め込み
  • YouTubeを含むSNSでの拡散
  • セミナーやプレゼンテーション、営業の参考資料の一貫

動画コンテンツに注目されている背景

近年、主に次の3つの理由から、動画を活用したマーケティングが急速に普及しています。

  • デバイス・インターネット環境の進化
  • 動画プラットフォームの普及
  • コストパフォーマンスの良さ

iPhone、スマートフォンの普及により、手軽に動画視聴が可能になったことが、動画コンテンツ普及の大きな要因となりました。ネット環境の進化により大容量の動画視聴がスムーズになったことも一因です。
また、YouTubeやTikTokなど、動画を不特定多数の人に発信できるプラットフォームが普及したことも、動画コンテンツによるマーケティング拡大に影響しています。

旧来型の映像コンテンツであるテレビCMと比較すると、動画コンテンツは低価格で作成できます。そのため、テレビCMよりも、多くの企業が動画コンテンツによるマーケティングを取り入れるようになったのです。

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動画コンテンツの種類

マーケティングの場面において動画コンテンツは動画広告、商品・サービス紹介、営業用資料といった形で活用されるケースが多いです。

動画広告

その名の通り動画を通じて企業のブランディングや商品・サービスの販売促進をおこなうための広告です。
テレビCMと比較して低価格であるうえ、動画の長さや内容においてより柔軟に制作できるのが特徴。また、インターネットで発信することで、テレビをあまり見ない層にリーチすることもできます。

一方でテレビCMとの相性もよく、大企業の場合はテレビCMと似た内容を発信したり、CMと動画広告をコラボさせたりする事例もみられます。
動画広告はYahoo!などの検索エンジンやメディアなどの広告への埋め込み、YouTubeやSNSなどの広告機能などを通じて発信されます。

商品・サービス紹介

商品やサービスの紹介を詳しくおこなう動画コンテンツもしばしば制作されます。商品の特徴や強みの紹介、実際に利用した人のインタビューやレビューなど、商品・サービスの良さが最大限伝わるよう、工夫を凝らした動画が制作されます。

ECサイトの商品紹介ページや広告から遷移するランディングページなど、製品・サービスにある程度興味を持つ人が見る場所に設置されることが多いです。これらの動画コンテンツは商品・サービスの購入を一押しすることを目的としています。

営業用資料

プレゼンテーションやセミナーなど営業活動における資料として制作されるケースも多いです。近年はオンライン形式の商談やセミナーが増えたこともあり、こうした営業活動に利用される動画コンテンツは一層増えつつあります。

セミナーの場合は、30分程度の時間をとった長尺の動画コンテンツが制作されるケースも珍しくありません。

動画広告とは

動画コンテンツのメリット

動画コンテンツには次のようなメリットがあります。いずれもマーケティングと相性がよいことから、積極的に利用する企業が増えてきているのです。

印象に残りやすい

音と動きのある映像から構成される動画を活用することで、表現の幅が広がり、視聴者により強い印象を与えることが可能です。このことにより、高いマーケティング効果が期待できます。また、視聴者が共感を得た動画は、記憶にも長期間残りやすいと考えられています。

多くの情報を正確に伝えられる

工夫した動画は一般的に静止画や文章よりも多くの情報を正確に伝えることができます。動画でも、必要に応じて静止画や文字(字幕)を取り入れることもできるため、情報量で他のコンテンツに劣ることは基本的にありません。

動画プラットフォームを活用できる

マーケティングにおいてYouTubeという巨大動画プラットフォームの影響力は近年急速に拡大しています。YouTube内の広告機能を活用することもできますし、YouTube内のコンテンツとしてPR動画をアップする企業も多くなっています。

同プラットフォームを活用することで、世界中の膨大な利用者に対して情報発信が可能になります。

YouTubeとは

動画制作手順

動画制作は次の5ステップで進めていくのが一般的です。

計画策定

動画制作の目的・KPI・予算やスケジュールなどを設定します。認知度向上、商品の販売促進、ブランディングなど動画制作の目的を明確にすることが大切です。

そのうえで再生回数、コンバージョン数、ブランド好感度の改善率など、目的にあったKPIを設定します。また、目的や予算が定まれば、活用するプラットフォームや広告媒体も絞られてくるでしょう。

動画の設計

「動画クリエイティブ」とも呼ばれる場合もありますが、動画の構成を設計していきます。ストーリーや構成、それらを形作るための絵や素材、音声などを定めていきましょう。

最終的に時間構成とそれぞれの場面の絵、音声、テキストなどを一覧表にまとめた「絵コンテ」にまとめます。

動画撮影や素材調達の準備

動画を作成するのに必要な機材やツールを準備します。

● 被写体となる人物・素材・衣装など
● 動画編集用のパソコンやソフト・ツール
● 撮影用のカメラ、マイク、録音・録画媒体
● 素材入手用のアプリ・ツール(無料画像やロゴなど)

人物における肖像権の侵害、芸術作品における著作権の侵害などには注意を払う必要があります。人物の演技などを取る場合には、あらかじめ被写体となる人物と契約して撮影に望む必要があります。
また、個人で楽しむ動画ではないので、基本的に動画編集のソフトもしくはアプリなどは必須となります。その他撮影を完遂するうえで必要なものを準備しておきましょう。

動画撮影と編集

実際にコンテンツを制作していきます。動画なので多くは撮影をおこなって構成しますが、必要に応じてアニメーションや静止画、テキストなども取り入れていきます。

一通り素材が揃ったら編集を進め、当初の目的にマッチした、印象に残る映像にまとめていきます。またノイズが入らない、不要な空白が発生しないなど視聴者に違和感やストレスを与えないコンテンツに仕上げることも大切です。

動画を出力する

一般的に動画の発信先により、動画の形式やサイズ上限などが異なります。編集が完了したら、公開する媒体にあった形で動画を出力しましょう。出力形式のファイルの状態で動画コンテンツを最終チェックしたら、媒体などにアップロードして作業は完了です。

視聴者の印象に残るマーケティングを

動画コンテンツは視聴者に強い印象を与え、情報を長期間記憶に残すことが可能です。そのため、マーケティングと相性が良く、近年盛んに活用されるようになっています。

CMと比較して低価格かつ手軽に作成できるうえ、YouTubeの一般化して多数の視聴者に情報発信できることなどが、動画コンテンツによるマーケティングの魅力です。

効果的なブランディングや販促方法を探している企業は、ぜひ動画コンテンツを活用したマーケティングを検討してみましょう。

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