非価格競争とは、商品や「サービスの価格以外の要素での販売競争をさす言葉で、寡占市場でよく見られる販売手法です。
非価格競争の要素は「価格以外のすべて」で、商品自体の売り方やパッケージデザイン、商品名、品質やネーミング、流通経路、アフターサービスなど多岐にわたります。

商品やサービスの価格のみで競合となる製品やサービスと差別化を行った場合、値段の下げあいといった際限のない競争に巻き込まれ、企業体力が奪われてしまいます。
結果、その市場におけるほとんどの企業が疲弊し、誰も勝者がいない状況となるのは明白です。
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価格以外の競争

価格以外の部分で差別化を図り、自社製品に付加価値をつけて販売することが非価格競争の肝です。非価格競争は、企業体力のない中小企業のマーケティングのベースとなるでしょう。
非価格競争に持ち込むための具体的な方法は業種ごと異なります。

例えば製造業者の場合は、これまでになかった商品や、新しいコンセプトや使い方を提案した商品など、「商品」を差別化の要素として用いることが多くなっています。
小売業の場合は、お店のコンセプトや陳列、あるいは接客方法など、商品以外で差別化図るのが特徴です。

サービス業では接客に加えて、アフターサービスなどを充実させて非価格競争に持ち込む事例がよく見られます。
マーケットシェアをいかにして自社の体力を減らさずに拡大するか。

非価格競争力の強化

価格での競争は自社の利潤を減らすだけでなく、価格で引き付けた顧客は離れやすいという特長があります。
短期的な売り上げを価格引き下げで獲得しても、長期にわたり利潤をもたらす上客の獲得は叶いません。

持続的に競争優位性をもたらすのは価格ではなく、商品やサービスの魅力です。
模倣されにくく、オリジナルの商品を生み出すことが、価格競争から退却し、市場におけるポジションを作っていく力になります。
スモールビジネスを考えているなら、いかに安くするかではなく、いかに安く済むかを考えていく必要があります。

たとえば顧客が価値ある商品だと感じられるよう品質を高めて差別化をする、あるいはブランド力を高めて差別化する、商品のオリジナリティを高め差別化するなど、競合商品との比較においてアピールできる差別化要素を付け加えていかなければなりません。
価格以外の要素を磨き、顧客に喜ばれる商品提供を意識することが非価格競争では重要です。

(このページは2014年に掲載した記事を2015年と2021年に加筆修正更新したものです)