上澄み吸収価格戦略(スキミング戦略)とは市場に新商品を投入した初期段階で、価格を高めに設定し収益を確保する戦略のことです。その後、売上速度が低下し始めた段階で価格を徐々に引き下げていく手法を取ります。

上澄み吸収価格(スキミング戦略)は高価格設定となっているため、初めは富裕層やマニア層をターゲットに絞り販売をします。
購買意欲のある層へ高価格の新製品を送り込み、ブランドイメージを確保することで高い利益率を得ることができます。

価格戦略
Pixabay画像:虫眼鏡でステラテジー拡大
一般層への浸透率は遅くなるものの、ある程度の利益を確保した後に低価格で生産ができるようになり、さらなる市場拡大が可能です。
しかし富裕層やマニア層から受け入れられるためには、他社から模倣されにくく高性能・高機能である必要があります。

上澄み吸収価格(スキミング戦略)には資金の早期回収・ブランドイメージの確立・ターゲットの拡大と3つのメリットがあります。
狙っているターゲット層へ製品が認知されるまで時間がかかるため、競合他社が低価格で参入してくる可能性が高くなるデメリットも。

類似商品が安い価格で流通すると消費者の選択肢が増えて、高い価格で買われにくくなる問題点が出てきます。
そのため他社製品が発売される前に、スピーディに利益を確保する必要があります。

事例として、国産初(東芝製・1960年)の市販カラーテレビは17インチで52万円(現在価値換算で約300万円)
オーディ機器やITl機器の価格設定に用いられることが多いです。

(このページは2014年に掲載した記事を2015年と2021年6月に加筆修正更新したものです)