ナショナルクライアントとは、広告関連の企業やマーケティングの分野で使用される言葉で、全国で自社ブランド製品を販売している広告主のこと。略して「ナショクラ」と呼びます。
例えば代表的な企業として、全日空・サントリー・富士フイルム・キッコーマン・日本経済社・SONY等があります。
ナショナルは全国のという意味があり、4マス(テレビ・新聞・ラジオ・雑誌)に莫大な広告予算を持った大企業のことを、「ナショナルクライアント」と呼ぶようになりました。
最近では、主要テレビ局で広告を出稿しているナショナルクライアントも、インターネット広告に力を注いでいます。
大手ポータルサイトのみならず、会員数の多いSNSなどへの広告出稿も増加しています。
歴史の浅いニューメディアにとって、ナショナルクライアントの広告を獲得することは、ビジネスチャンスを広げ、メディアの価値を上げることにつながります。
ナショナルクライアントは予算規模が大きいので、Webサイトやバナー制作に加え動画やリアルイベントなど、抱えているビジネス課題を解決させなくてはなりません。
大手企業には長年築いてきた「ブランド価値」があり、また消費者が持つ「企業イメージ」もあります。そうした「ブランド価値」を崩さないよう、課題を解決しなくてはなりません。
ナショナルクライアント企業一覧
トヨタ自動車株式会社
トヨタ自動車は、世界有数の自動車メーカーであり、日本国内では最も大きな企業の一つです。その製品は、国内外で高い評価を受けており、独自の生産技術や環境技術によって、業界をリードしています。
ソフトバンク株式会社
ソフトバンクは、情報通信業界を代表する企業で、国内外の携帯電話事業やインターネット関連事業を展開しています。最先端の技術とサービスを提供し、人々の暮らしをより便利かつ快適にしています。また投資やM&Aを通じて、多くの企業と戦略的な提携を行っており、その影響力は広がりを見せています。
三菱UFJフィナンシャル・グループ
三菱UFJフィナンシャル・グループは、日本最大の金融グループであり、銀行、証券、信託などの多岐にわたる金融サービスを提供しています。その資本力とネットワークを活かし、国内外の顧客に対して、幅広いサービスを展開しています。
株式会社ファーストリテイリング
ファーストリテイリングは、アパレル業界を代表する企業で、国内外に多くの店舗を展開しています。その中でも、ユニクロのブランドは世界的に知られており、独自の商品企画やマーケティングによって、他社との差別化を図っています。
キヤノン株式会社
キヤノンは、カメラやプリンターをはじめとする映像・情報機器のメーカーとして、世界中で高い評価を受けています。その技術力とブランド力を活かし、さまざまな事業分野で革新的な製品やサービスを提供しています。
ソニー株式会社
ソニーは、エレクトロニクス、ゲーム、映画など多様なエンターテイメント分野で、世界をリードする企業です。その斬新なアイデアや技術革新により、常に市場を刺激し、さまざまな業界に影響を与えています。
パナソニック株式会社
パナソニックは、家電製品や産業用機器をはじめとする電子機器の製造販売を行っており、世界的に知名度の高いブランドです。環境技術の開発にも力を入れており、エコに配慮した製品やサービスが高い評価を受けています。
セブン&アイ・ホールディングス株式会社
セブン&アイ・ホールディングス株式会社とは、日本を代表する総合小売企業です。同社は、セブン-イレブンをはじめとするコンビニエンスストアチェーン、イトーヨーカドーやヨークベニマルといったスーパーマーケット、そごう・西武などの百貨店を運営しています。
シャープ株式会社
シャープ株式会社は、1912年創業の日本のエレクトロニクス企業で、主に液晶ディスプレイや家電製品、ソーラーパネル、電子部品などの開発・製造・販売を行っています。
その技術力は世界的にも高く評価されており、多くの特許を保有。同社は、生活者のニーズに合わせた製品を提供し、社会に貢献することをビジョンとしています。
任天堂株式会社
任天堂株式会社は、日本を代表する大手電子ゲーム会社です。1889年に創業し、長年にわたり、家庭用ゲーム機や携帯型ゲーム機など、多種多様なゲーム製品を開発してきました。
代表的な製品には、ファミリーコンピュータ、ゲームボーイ、Wii、Nintendo Switchなどがあります。また、マリオやゼルダの伝説、ポケットモンスターなど、世界的に人気のあるゲームソフトも生み出しています。
三菱電機株式会社
日本を代表する大手電機メーカーであり、創業から現在まで一貫して電気・電子技術を駆使した豊富な製品・サービスを提供している企業です。
主な事業分野は、エネルギーシステム、産業オートメーション、家電、情報通信システム、電子デバイス、宇宙開発・衛星システムなど多岐に渡ります。
日立製作所
1910年に創業された日本の総合エレクトロニクスメーカーです。同社は、情報・通信システム、電子デバイス、産業システム、自動車システムなど幅広い事業領域で活躍しています。
また、世界50カ国以上で事業展開し、地球規模の課題解決に貢献しています。同社の目指す「社会イノベーション事業」は、お客様と共に新しい価値を創出し、社会課題の解決に取り組むことを目的としています。
サントリー株式会社
サントリー株式会社とは、日本を代表する飲料メーカーのひとつです。創業は1899年、清涼飲料や日本酒、ウイスキーなど幅広い飲料を展開しています。現在、サントリーは、国内外での事業を拡大し続けており、優れた製品とサービスを提供しています。
主要製品には、「ボス」、「伊右衛門」、「ペプシ」、「サントリー天然水」などがあります。また、サントリーホールディングスとして、グループ会社を統括し、食品や健康食品、レストラン事業も展開しています。
ローカルクライアント
ナショナルクライアントに対し、地域密着型の顧客やビジネス展開していないクライアントのことを、ローカル・クライアントと呼びます。
ローカル・クライアントは個人商店などがメインの広告主で、広告費が限られています。広告手段もチラシ・看板・インターネットなど、総じて予算が低いものです。
例えば代表的な広告主として、小売店、飲食店・美容院・病院・サービス業者などがあります。
広告において、ローカルクライアントは特に重要な存在です。なぜなら、これらの企業が地元の消費者に自社のブランドやサービスを認知させるために、効果的な広告戦略が必要だからです。そのため、ローカルクライアント向けの広告は、ターゲットエリアやコミュニティの特性を理解し、その地域の人々の関心やニーズに合ったアプローチが求められます。
ローカルクライアント向け広告
- 地元の新聞や雑誌への広告掲載
- ラジオやテレビでのスポット広告
- 地域限定のオンライン広告やソーシャルメディア広告
- チラシやポスターによる直接的な宣伝活動
- 地域イベントへの参加やスポンサー活動
これらの広告手法を適切に組み合わせることで、効果的なローカルクライアント向けの広告戦略が構築できます。また、地元密着型のビジネスは、コミュニティとの信頼関係が非常に重要ですので、顧客とのコミュニケーションを大切にすることも大事です。
ローカルクライアント向け広告では、地域密着型のマーケティングエージェンシーが役立つことが多いです。彼らはその地域の市場や消費者の傾向をよく知っているため、効果的な広告展開が期待できます。また、オンライン広告の場合は、地域限定のキーワードやターゲティングを利用して、適切な消費者層にアプローチすることが大切です。
最後に、どの広告手法を用いても、その効果をしっかりと測定し、必要に応じて戦略を改善することが重要です。広告のパフォーマンスを把握することで、ローカルクライアントに最適な広告戦略を確立し、そのビジネスの成功に貢献できます。
(この記事は2014年5月11日に掲載したものを2019年と2023年に加筆修正したものです)