BtoB企業のオフライン広告・広報戦略|タクシー広告・交通広告・テレビCMの選び方
「リスティング広告のCPA(獲得単価)が高騰して、これ以上予算を増やせない」
「顕在層は取り尽くしてしまい、リード数が頭打ちになっている」
Web広告運用が軌道に乗ってきた企業ほど、次にぶつかるのがこの「デジタルマーケティングの限界」です。
すでに検索しているユーザー(顕在層)を取り合うWeb広告の世界は、レッドオーシャン化が進む一方です。
そこで今、再注目されているのが「オフライン広告(マス広告)」です。
かつては「効果測定ができない」「大企業のもの」と思われがちでしたが、現在はタクシー広告をはじめ、BtoB企業が少額から戦略的に使えるメディアが増えています。
本記事では、Web広告と組み合わせることで最大の効果を発揮する「BtoB向けオフライン広告の選び方」を、媒体別に徹底解説します。
なぜ今、一周回って「オフライン広告」なのか?
デジタル全盛の時代にあえてアナログな広告を使う最大の目的は、「指名検索」を増やすことにあります。
「〇〇(サービス名)」と社名で検索してくれるユーザーを増やすことができれば、高騰するクリック単価を払って競合と争う必要がなくなります。
Web広告とオフライン広告の決定的な違い
両者は「届く層」が全く異なります。

Web広告は「今すぐ客」の争奪戦(レッドオーシャン)。オフライン広告は「その手前」に広がるブルーオーシャンへの種まきです。
Web広告(刈り取り)
- 対象: すでに課題を自覚し、検索している人(顕在層)。
- 強み: すぐにCV(コンバージョン)に繋がる。
- 弱み: 母数が少ない。競合と比較されやすい。
オフライン広告(認知拡大)
- 対象: まだ課題に気づいていない人(潜在層)。
- 強み: 信頼感が出る。「あ、見たことある」という安心感を作る。
- 弱み: すぐには購入されない。効果が見えにくい。
「Webで刈り取るために、リアルで種をまく」。このOMO(Online Merges with Offline)の視点が、これからのマーケティングには不可欠です。
【タクシー広告】決裁者に直撃するBtoB最強の媒体
現在、BtoB企業の間で最も熱い視線を浴びているのが、タクシーの後部座席モニターに流れる動画広告(デジタルサイネージ)です。
なぜ「BtoB × タクシー」なのか?
その理由は、乗客の属性にあります。タクシーを利用する層は、経営者、役員、部長クラスなどの「決裁権を持つ人」である確率が非常に高いのです。
- 強制視認性: 移動中の個室空間で、手持ち無沙汰な時間に目の前で動画が流れるため、見てもらえる確率が高い。
- 話題性: 「最近よく見るあのサービスね」と、商談時のアイスブレイクになりやすい。
成功のポイント
タクシー広告で成果を出すには、「音声なしでも伝わる工夫」と「検索誘導」が重要です。
「続きはWebで」ではなく、「〇〇(サービス名)で検索!」と具体的な検索ワードを画面に大きく表示させることで、スマホでの指名検索を促します。

移動中の経営者は情報に飢えています。タクシーという閉鎖空間は、決裁者に1対1でプレゼンできる貴重な場です。
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【交通広告・OOH】特定のエリア・通勤客をジャックする
電車、バス、駅の看板などを総称して「交通広告」または「OOH(Out of Home:屋外広告)」と呼びます。
特定の路線や駅を指定できるため、ターゲット企業のオフィスが集まるエリアを狙い撃ちできます。
電車広告(中吊り・ドア横・ビジョン)
通勤中のビジネスパーソンに反復してアプローチできる媒体です。
| 種類 | 特徴と活用法 |
|---|---|
| まど上・ドア横 | 目線の高さにあり、滞在時間が長い。読み込ませるポスター向き。 ※BtoBでは「SaaS」や「人材採用」の広告によく使われます。 |
| 中吊り広告 | 週刊誌のイメージが強いが、インパクトは最大。短期間で新サービスを一気に認知させたい時に有効。 |
| トレインチャンネル | ドア上の動画広告。ニュースや天気予報の合間に流れるため、自然と目に入る。 |

視認性が高い「ドア横」、インパクトの「中吊り」、動画の「ビジョン」。目的に応じて使い分けましょう。
駅貼りポスター・行燈(アンドン)看板
「大手町」「品川」「新橋」など、ターゲット企業の多い駅をジャックします。
特に駅の出口付近にある看板は、毎日通勤する社員の目に繰り返し触れるため、「ザイオンス効果(単純接触効果)」による好感度アップが期待できます。
駅の柱や壁面に設置された、内部から照明で光る看板のこと。薄暗い地下通路でも目立ち、高級感や信頼感を演出しやすい媒体です。
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【テレビ・新聞・雑誌】信頼を一気に獲得するマス媒体
「マス広告は大企業のもの」という常識は変わりつつあります。
エリア限定や業界専門紙など、ターゲティングを絞れば中小BtoB企業でも十分に活用可能です。
テレビCM(地上波・運用型CM)
圧倒的なリーチ力を誇る「広告の王様」です。特に地方では、テレビCMを流しているという事実だけで「ちゃんとした会社」というお墨付きが得られます。
- タイムCM: 番組のスポンサーとして、毎週決まった時間に流す。
- スポットCM: 番組に関係なく、時間帯を指定して流す。短期集中型。
- 運用型テレビCM: 近年登場した手法。100万円単位から出稿でき、Web広告のように効果を見ながら出稿枠を調整できる。
「視聴率 × 放送回数」で算出される、テレビCMの到達量を表す指標です。例えば、視聴率10%の番組で10回CMを流すと、100GRPとなります。
新聞・雑誌(業界紙・専門誌)
BtoBにおいて最も相性が良いのは、日経新聞などの「経済紙」や、特定の業界人しか読まない「専門誌」です。
例えば、建設業界向けのツールを売りたいなら、一般紙ではなく「建設新聞」に広告を出す方が、読者は全員ターゲットであるため無駄がありません。
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知っておきたい新聞・雑誌広告用語
- 記事下広告: 新聞記事の下にある広告枠。最も一般的で信頼性が高い。
- 雑報(ざっぽう)広告: 記事の中に小さく紛れ込んでいる広告。安価だが意外と読まれる。
- ABC部数: 日本ABC協会が公査・認定した「実際に売れている部数」。媒体資料の「発行部数(自称)」よりも信用できる数字。
- 回読率: 1冊の雑誌が何人に回し読みされたか。オフィスに置かれる業界誌は回読率が高く、部数以上の効果が見込める。
【番外編】広告費0円でメディアに出る「広報(PR)」戦略
ここまで「枠を買う(広告)」話をしてきましたが、BtoB企業にはもう一つ、「取材される(広報)」という強力な手段があります。
プレスリリースを活用すれば、広告費を一切かけずに、テレビや新聞で「信頼できる企業」として紹介されることも可能です。
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【チラシ・FaxDM】手元に物理的に届けるプッシュ型媒体
ここまで紹介した広告は、ターゲットがそれを見るのを「待つ」必要があります。
これに対し、こちらから能動的に情報を届けられるのが「ダイレクトメディア」です。
ポスティング・新聞折込チラシ
地域密着型のビジネス(士業、工事、店舗向けサービス)で有効です。
「特定の区のオフィスビル」に限定してポスティングを行えば、無駄撃ちを防げます。
FaxDM(ファックスDM)
BtoB特有の、最強のプッシュ型媒体です。
- 開封率100%: 封筒に入っていないため、受取手は必ず内容を目にします。
- 即効性: 送信した直後から電話が鳴り始めます。
- 低コスト: 1通10円〜という安さで、数千社に一斉アプローチが可能。
「まずはFaxDMで安価にテストマーケティングをして、反応が良かったエリアや業種に、高単価なタクシー広告や交通広告を展開する」という勝ちパターンがおすすめです。
効果測定のやり方とまとめ(OMO戦略)
「オフライン広告は効果が見えない」というのは過去の話です。
以下の指標を定点観測することで、Web広告と同じようにPDCAを回すことができます。
見るべき3つの指標
- 指名検索数の推移:
GoogleサーチコンソールやGoogleトレンドで、自社の「社名」や「サービス名」の検索ボリュームが増えているかを確認します。
※広告出稿期間中に指名検索が伸びていれば、認知拡大成功です。 - 専用LP(ランディングページ)へのアクセス数:
広告ごとに「〇〇で検索」と検索ワードを変えるか、QRコードのパラメータ(UTMパラメータ)を分けることで、どの媒体から来たかを特定します。 - CPA(顧客獲得単価):
「(Web広告費+オフライン広告費) ÷ 全コンバージョン数」で、全体の獲得効率を計算します。
オフライン広告単体で見るとCPAは高く見えますが、指名検索が増えることでWeb広告(リスティング)のCPAが下がるため、全体で評価するのがコツです。

広告を出した期間(グレーの網掛け)に合わせて、社名での検索数がベースアップしているかを確認します。
まとめ:Webとリアルの融合(OMO)へ
Web広告だけで戦える時代は終わりました。
競合がひしめくネットの海で溺れる前に、リアルな場所に「自社の看板」を立てましょう。
「タクシー広告で認知させ、指名検索してもらい、Webサイトで刈り取る」
この一連の流れ(OMO:Online Merges with Offline)を設計できた企業だけが、次のステージへ進むことができます。
まずは低コストな「紙のメディア」から始めませんか?
いきなり数百万円のタクシー広告はハードルが高い…という方へ。
まずは1通10円〜で送れるFaxDMで、オフライン広告の威力を試してみませんか?
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「地域・業種」を絞り込んで、あなたの見込み客にダイレクトにアプローチできます。
よくある質問(FAQ)
Q. BtoB企業におすすめのオフライン広告はどれですか?
予算規模によりますが、決裁者にリーチしたいなら「タクシー広告」、特定のエリアを狙いたいなら「交通広告(駅貼りポスターなど)」、低コストで即効性を求めるなら「FaxDM」がおすすめです。
Q. オフライン広告の効果測定はどうすればいいですか?
Web広告のように直接のクリック数は計測できませんが、「指名検索数(社名検索)の増加率」を見るのが一般的です。また、広告ごとに「〇〇で検索」というキーワードを変えたり、専用のQRコードを発行することで、どの媒体からの流入かを計測することも可能です。
Q. 運用型テレビCMとは何ですか?
従来のテレビCMのように数ヶ月前から枠を固定で購入するのではなく、Web広告のように少額(100万円程度〜)から開始し、効果を見ながら放映エリアや時間帯を柔軟に変更できる新しいCM手法です。
本記事の参考・出典元
-
・日本ABC協会(JABC)
(新聞・雑誌の発行社レポート、公査部数に関するデータ) -
・OOHメディア・ハンドブック
(交通広告・屋外広告の媒体特性や効果指標に関する基礎知識)
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