シズル広告とは五感を刺激する広告
シズル広告 (sizzle) とは、消費者の聴覚や味覚などの五感を刺激することで、よりいっそう購買意欲を促進させる広告のこと。
たとえば、夏場にキンキンに冷えたグラスやそこにビールを注ぐ音、肉がジュージューと焼ける音などを使いリアルな感覚を呼び起こすような表現を使った広告のことです。
特にインターネットビジネスでは、実店舗に商品を買いに行く時とは違い、視覚のみを頼りに商品を購入します。
したがって商品を購入してもらうためには、顧客にもたらす利益を一緒に伝えることが必要です。
顧客がECサイトを見て、自分に有益な商品であるか判断するのにかかる時間は一般的に7秒ほどといわれており、その時間内に顧客の心を掴むためにも多くの企業がシズル感を重要視しているといわれています。
ただし行き過ぎたシズル感の演出はクレームの原因となるので、あくまで「五感を使って肌で感じる」という感覚が欠落している部分を補うことを前提に商品の魅力を伝えましょう。
シズル感が世に広まったのは1930年代のことで、「多くの人が商品を買うには決まったフレーズがある」ということをアメリカの営業コンサルタントでセールスのノウハウを説いたホイラーが発見し、「ホイラーの5つの公式」としてまとめました。
その中の第1条でシズル感という言葉が使われています。
ホイラー氏の有名な「ステーキを売るならシズルを売れ」という言葉にも表れているように、広告で食品を販売するには「艶っぽさや瑞々しさ、今にも食べたくなるように見えることが大切」ということです。
ホイラー氏のシズル感の本質的な意味は、お客さんの視点になって商品を買うことで得られる満足感や期待感を発見すること、つまり売り手側のこだわりではなくお客さんから見た「商品を買いたくなる理由」を見出すことが、大切なことだとしています。
コピーライティングでも同じことが言えるでしょう。
自然界の音や声、物事の状態や動きを象徴的に表した「オノマトペ」を使うことで、臨場感が伝わりやすくなります。
単に「煮込んだスープ」よりも、「じっくりコトコト煮込んだスープ」とした方が美味しそうに感じることでしょう。
シズル広告は、お客さんが欲しくなる、まるで目の前にあるような臨場感を表現することが大切となります。
商品や食べ物だけでなく、広告やセールスコピーでもシズル感を表現できれば、より商品を魅力的に伝えられます。
そのためにもお客さんの目線に立って、宣伝することが大切です。
(このページは2014年に掲載した記事を2015年と2021年7月に加筆修正更新したものです)
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