faxdmメール営業問い合わせフォーム営業代行サービス

値入率と粗利率の違いとは?BtoB営業が見積もりで損をしないための計算式

  
値入率と粗利率の違いを理解せず計算ミスをして焦る営業マン(左)と、正しく粗利率で計算して目標利益を達成し喜ぶ営業マン(右)の対比イラスト。
\ この記事を共有 /
値入率と粗利率の違いとは?BtoB営業が見積もりで損をしないための計算式
▼ この記事の対象:見積もり作成時、原価に「1.X倍」を掛けて売価を決めている、「値入率」と「粗利率」の違いがわからず、気づかないうちに利益を削っているBtoB営業担当者

値入率と粗利率の違いを理解せず計算ミスをして焦る営業マン(左)と、正しく粗利率で計算して目標利益を達成し喜ぶ営業マン(右)の対比イラスト。

「今回の案件、原価が高いから利益(粗利)30%は確保して見積もり出して」
上司からそう指示された時、あなたは電卓でどのような計算をしますか?

もし、「原価 × 1.3」で計算してしまったなら、その見積もりは赤字予備軍です。

営業現場で頻繁に使われる「値入率(ねいれりつ)」と「粗利率(あらりりつ)」。この2つは似て非なるものであり、混同すると会社の利益を大きく損なうことになります。
この記事では、BtoB営業マンが絶対に間違えてはいけない「正しい売価設定の計算式」を解説します。

値入率(マークアップ)と粗利率(マージン)の決定的な違い

まずは言葉の定義をはっきりさせましょう。どちらも「利益」を表す指標ですが、「何を基準(分母)にしているか」が全く違います。

値入率(Markup:マークアップ)

「原価(仕入れ値)」に対して、どれだけ利益を乗せたかを表す数値。

  • 計算式: 利益額 ÷ 原価 × 100
  • 視点: 仕入れ担当者、小売店(商品を仕入れて売値を決める時)

粗利率(Margin:マージン)

「売上(売価)」に対して、どれだけ利益が残ったかを表す数値。

  • 計算式: 利益額 ÷ 売価 × 100
  • 視点: 経営者、営業マネージャー(会社の業績を見る時)

なぜ混同してはいけないのか

多くの会社では、営業目標や予算管理は「粗利率(マージン)」で設定されています。
しかし、現場の営業マンが計算しやすい「値入率(マークアップ)」で見積もりを作ってしまうと、目標とする利益率に届かないという事態が発生します。

【危険】やってはいけない「掛け算」の見積もり

具体的な数字で見てみましょう。ここが一番の落とし穴です。

【例題】
原価70万円のシステム開発案件。
会社から「粗利率30%」を確保するよう指示されました。いくらで見積もりを出しますか?

❌ 間違い(掛け算)

「30%乗せればいいんだな」と考えて、単純に掛け算をしてしまうパターン。

70万円 × 1.3 = 91万円(売価)

これだと利益額は、91万円 - 70万円 = 21万円 です。
この時の「粗利率」を計算してみましょう。

21万円(利益) ÷ 91万円(売価) = 約23%

目標の30%には全く届いていません。
これでは、上司から「なんでこんなに利益が低いんだ!」と叱責されることになります。

◎ 正解(割り戻し計算)

粗利率(売上に対する利益の割合)を30%にするには、「割り戻し計算」が必要です。

70万円 ÷ (1 - 0.3) = 100万円(売価)

これなら利益額は、100万円 - 70万円 = 30万円
粗利率を確認すると、30万円 ÷ 100万円 = 30%
見事に目標達成です。

このように、同じ「30%」という言葉でも、計算方法を間違えるだけで利益額に9万円もの差(21万円 vs 30万円)が出てしまうのです。

原価70万円で利益30%を確保する場合の、間違った計算(値入率:掛け算)と正しい計算(粗利率:割り戻し)の比較図解。割り戻し計算でないと目標利益に届かないことを示している。

会社が求めているのは右側の「粗利率」です。電卓を叩くときは、必ず「割り戻し計算(÷ 0.7)」を使いましょう。

すぐに使える!正しい売価設定の計算式

BtoB営業の実務で、電卓を叩くときに使うべき公式をまとめました。
迷ったときはこれを見てください。

「粗利率(マージン)」から売価を決める場合

会社から「粗利〇%とれ!」と言われたらこれを使います。BtoB営業の9割はこちらです。

売価 = 原価 ÷ (1 - 目標粗利率)

※目標粗利率が30%なら「0.3」、25%なら「0.25」を入れます。
電卓操作:原価 ÷ 0.7 = (30%確保の場合)

「値入率(マークアップ)」から売価を決める場合

「原価に一律2割乗せて売る」といった単純なルールの場合はこちらを使います。

売価 = 原価 × (1 + 値入率)

BtoB営業が「値入」を意識すべき場面

基本は「粗利率(割り戻し)」での計算を推奨しますが、戦略的に「値入」の考え方を使う場面もあります。

値引き交渉の限界ラインを知る

顧客から「あと5%値引きして」と言われた時、安易に応じると粗利率はガクンと下がります。
自分の持っている原価に対して、いくらまでなら売価を下げても赤字にならないか(損益分岐点)を即座に計算する能力は、タフな交渉の現場で必須です。

相見積もりでの戦略的プライシング

競合他社がひしめくコンペでは、あえて目標粗利率を無視し、「値入率10%(ほぼ原価)」で提示してでも契約を取りに行く戦略(ペネトレーション価格)が必要なこともあります。
重要なのは、「計算ミスで利益が出なかった」のと、「戦略的に利益を削った」のとでは、意味が全く違うということです。

まとめ:数字に強い営業マンは信頼される

「どんぶり勘定」で適当な見積もりを作る営業マンは、経営者や経理部門から信頼されません。
逆に、原価と利益の関係(値入と粗利の違い)を正しく理解し、根拠のある数字を出せる営業マンは、社内での評価も高まります。

会社のため、そして自分の成績のために、今日から電卓の使い方(割り戻し計算)をマスターしましょう。

薄利多売の泥沼から抜け出しませんか?

ギリギリの利益率で相見積もりに疲弊するよりも、貴社の価値を高く評価してくれる新規顧客を開拓する方が、利益確保への近道です。
業種・地域・規模を指定して、利益率の高いターゲット企業のリストを作成しましょう。

値入率に関するよくある質問

Q. 「原価率」と「値入率」を足すと100%になりますか?
A. いいえ、なりません。「原価率」と足して100%になるのは「粗利率(マージン)」です。(例:原価率70% + 粗利率30% = 売価100%)。値入率は仕入れ原価に対する上乗せ分なので、足しても100%にはなりません。
Q. 小売業以外でも「値入率」という言葉は使いますか?
A. 商慣習によりますが、メーカーやIT業界などのBtoB営業では「粗利率(マージン)」を使うことが一般的です。ただし、現場レベルでは言葉が混同されていることも多いため、「分母は原価ですか?売価ですか?」と確認するのが安全です。

参考・出典

  • 中小企業庁「価格設定の基礎知識(J-Net21)」
  • 日本商工会議所「簿記検定試験(商業簿記・原価計算)」
  • その他、一般的な管理会計・財務会計の基準を参照

コメント

メールアドレスが公開されることはありません。 ※付きの欄は必須項目です。
コメントへの投稿は、このページに掲載されます。削除依頼は可能です。

Comment

Copyright©faxdm屋ドットコム,2026All Rights Reserved.