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BtoBインサイドセールスの立ち上げと連携|「電話×FAX」でアポ獲得率を最大化する

  
BtoBインサイドセールスの立ち上げと連携アイキャッチ画像。ヘッドセットを付けた担当者が、PC画面の顧客データ(デジタル)と手元のFAX用紙(アナログ)を同時に活用し、効率的にアポイント(カレンダー)を獲得している様子を描いた3Dイラスト。
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BtoBインサイドセールスの立ち上げと連携|「電話×FAX」でアポ獲得率...

BtoBインサイドセールスの立ち上げと連携アイキャッチ画像。ヘッドセットを付けた担当者が、PC画面の顧客データ(デジタル)と手元のFAX用紙(アナログ)を同時に活用し、効率的にアポイント(カレンダー)を獲得している様子を描いた3Dイラスト。

「マーケティング部がリード(見込み客)を集めても、営業部が忙しくて追客できていない」
「とりあえず電話をかけまくっているが、受付で断られてばかりで担当者が疲弊している」

多くのBtoB企業で起きている、マーケティングと営業の間の「深い溝」。これを埋める解決策として注目されているのが「インサイドセールス(内勤営業)」です。

しかし、単に「テレアポ部隊」を作っただけではうまくいきません。電話に出てくれない時代に、ただリストの上から順に架電するのは非効率だからです。

本記事では、インサイドセールスの正しい立ち上げ手順と、「FAXをドアオープナー(扉を開ける鍵)として使う」ことで、電話の接続率とアポイント獲得率を劇的に高める独自の連携ノウハウを解説します。

1. なぜ今「インサイドセールス」が必要なのか(テレアポとの違い)

インサイドセールス(IS)とは、電話やメール、Web会議ツールなどを用いて、見込み客(リード)と非対面でコミュニケーションを行い、商談の機会を創出する役割のことです。

(※もし「電話をかけるリストそのものが足りない」という場合は、まずLPの見直しが必要です。反響の出るBtoB LPの作り方はこちらをご覧ください)

The Model(ザ・モデル)型の営業プロセス図解。左からマーケティング(集客)、中央のインサイドセールス(育成・アポ)、右のフィールドセールス(商談・受注)へと見込み客をバケツリレー形式で引き継ぐ分業体制を示すフローチャート。

図解:インサイドセールスは、マーケティングと営業をつなぐ重要な「橋渡し役」です。

「テレアポ」と「インサイドセールス」の決定的な違い

よく混同されますが、昭和的な「テレアポ」と現代の「インサイドセールス」は、目的も手法も全く異なります。

項目 従来のテレアポ インサイドセールス
ゴール アポイントの「数」 商談の「質」と関係構築
リスト 名簿の上から片っ端に 温度感の高い見込み客を優先
断られたら 次へ行く(使い捨て) 時期を改めて育成(資産化)

インサイドセールスの最大のミッションは、「フィールドセールス(外勤営業)が、受注確度の高い商談だけに集中できる環境を作ること」です。これにより、営業効率全体が最大化されます。

全体像を理解する:
インサイドセールスは、BtoBマーケティング活動の一部です。
集客から成約までの全体戦略については、以下の記事で体系的に解説しています。

▶ 【完全版】BtoBデジタルマーケティングの基礎と成功手順

2. 失敗しない立ち上げの3ステップ(役割・リスト・KPI)

いきなり電話をかけ始める前に、まずは「ルール」を決めましょう。
立ち上げ初期に躓きやすいポイントは、以下の3ステップで回避できます。

STEP1:役割定義(どこまでやるか?)

インサイドセールスが担当する範囲を明確にします。
単に「アポが取れたらパス」するのか、それとも「予算や導入時期(BANT条件)のヒアリングまで完了したらパス」するのか。
ここが曖昧だと、フィールドセールスから「こんな質の低いアポをよこすな」と不満が出る原因になります。

STEP2:リストの精査(スコアリング)

インサイドセールスの架電優先順位を示す3段階のピラミッド。上段の赤色エリアは「Hot(今すぐ客)」で資料請求などの行動直後に即電話、中段のオレンジ色は「Warm(そのうち客)」で育成、下段の青色は「Cold(まだまだ客)」で一斉配信のみとし、対応を振り分けるスコアリングの基準図。

▲ 全員に電話する必要はありません。「Hot(今すぐ客)」を逃さないことが最優先です。

全員に電話をする必要はありません。MA(マーケティングオートメーション)ツールなどで顧客の行動をスコア化し、優先順位をつけます。

  • Hot(今すぐ客): 資料請求直後、料金ページを閲覧 → 即電話(5分以内が理想)
  • Warm(そのうち客): メルマガは開封するが行動なし → メールやFAXで育成
  • Cold(まだまだ客): 接点なし → 除外(または一斉配信のみ)

あわせて読みたい:
「そのうち客」を「今すぐ客」に育てるためのメール術はこちらの記事で詳しく解説しています。
▶ BtoBメールマーケティングとステップメールの作り方(全5回シナリオ付)

STEP3:KPI設定(架電数だけを追わない)

「1日100件かけろ」という根性論はNGです。それでは質の低い「ガチャ切り」が増えるだけです。
追うべきは架電数よりも「有効会話数(決裁者と話せた数)」「アポイント獲得率」です。
ここを指標にすることで、どうすれば繋がるか?という質の改善に向き合えるようになります。

3. アナログ(FAX・手紙)を武器にした「ハイブリッド・インサイドセールス」

インサイドセールスの最大の悩み。それは「そもそも電話が繋がらない」「受付でブロックされる」という点です。
テレワークやセキュリティ強化が進む現代、いきなりの営業電話は嫌われます。
そこで貴社におすすめしたいのが、デジタル(電話)の前にアナログ(FAX)を挟むという戦術です。

図解:FAXをドアオープナー(突破口)に使う4ステップのフロー図。Step1「有益な資料をFAX送信」から始まり、Step2「担当者の手元に物理的に届く(強制視認)」。この間に「資料があるから『業務連絡』になる」というニュアンスが含まれ、Step3「直後にインサイドセールスが電話フォロー」。最終的にStep4「受付を突破し、担当者接続率がUPする」という一連の流れを示す。

▲ 「資料を送った件で」と言えるだけで、受付の反応は劇的に変わります。

解決策①:「FAXドアオープナー」で受付突破率を上げる

何もなしに電話をかければ「営業のお電話はお断りしています」と言われます。
しかし、事前に担当者宛てや部署宛てに、有益な情報(セミナー案内や診断シートなど)をFAXで送っておくとどうなるでしょうか。

📞 電話のトーク例

「もしもし、〇〇社の△△です。先ほど、貴社の■■事業部様宛てに、コスト削減の資料をFAXでお送りした件で確認のお電話をさせていただきました。ご担当者様のお手元に届いておりますでしょうか?」

このように伝えることで、受付の方は「単なる営業電話」ではなく「送付物の確認連絡(業務連絡)」として認識しやすくなり、担当者に繋いでくれる確率が格段に上がります。
FAXが「重い扉」をこじ開けるドアオープナーになるのです。

解決策②:メール未開封リストへの「強制視認」アプローチ

前回のメールマーケティング記事でも触れましたが、インサイドセールスが追うべきリストの中には「メールを見ていない層」が多く存在します。
彼らに何度電話しても「見ていません」で終わります。
メール未読リストに対してのみ一斉にFAX DMを送り、その直後に電話をかけることで、「視覚(FAX)」と「聴覚(電話)」の両方からアプローチでき、商談化のチャンスを逃しません。

4. インサイドセールスを成功させるツール選定

精神論だけでインサイドセールスは続きません。効率的にアプローチし、情報を正確に引き継ぐためには、適切なツールの導入が不可欠です。
最低限揃えておきたい「三種の神器」をご紹介します。

① SFA / CRM(顧客管理システム)

役割:情報の蓄積と共有
「いつ、誰が、どんな会話をしたか」を記録します。Excelでの管理は限界が来るため、SalesforceやHubSpot、kintoneなどのクラウドツールが必須です。
ここで重要なのは、フィールドセールス(外勤営業)と同じ画面を見ることです。「インサイドセールスが入力したヒアリング内容を、営業が商談前にスマホで確認する」という連携が、受注率を左右します。

② CTI(電話システム)

役割:架電効率の向上
PCからワンクリックで発信できたり、通話内容を自動録音できるシステムです。
「架電工数の削減」だけでなく、録音データをチームで聞き直してトークの改善(フィードバック)に使える点が最大のメリットです。

③ FAX配信サービス(ドアオープナー用)

役割:アプローチの突破口
第3章で解説した「FAXドアオープナー」を実践するためのツールです。
一斉配信機能があるものを選べば、「見込み客リスト1,000件にFAXを一斉送信し、完了した順に上から電話をかける」といった効率的な動きが可能になります。

まとめ:デジタルで選別し、アナログで心を動かす

インサイドセールスの本質は、「テレアポの量産」ではなく「見込み客との信頼関係づくり」です。
しかし、現代のBtoB営業において、電話だけで信頼を作るのは難しくなっています。

【本記事のポイント】

  • インサイドセールスは、営業が商談に集中するための「司令塔」。
  • 立ち上げ時は「役割・リスト・KPI」の3つを握ることから始める。
  • 電話に出ない相手には、FAXを「ドアオープナー」として使う。
  • SFAツールで情報を共有し、組織全体で受注を目指す。

「データ(デジタル)」でタイミングを見計らい、「FAXや電話(アナログ)」で熱意を伝える。
このハイブリッドな連携こそが、アポイント獲得率を最大化する最短ルートです。
ぜひ、貴社のインサイドセールス部隊にも「FAX」という新たな武器を持たせてみてください。

「電話が繋がらない」を解決するFAX活用法とは?


ドアオープナーとして使える!FAX DMの無料相談はこちら >

※インサイドセールスと連携したFAXシナリオのご提案も可能です。

インサイドセールス立ち上げに関するよくある質問

Q. 1日何件くらい電話(架電)すべきですか?
A. 商材やリストの質によりますが、目安は1日30〜50件程度です。従来のテレアポのように100件以上かけると、事前調査やログ入力がおろそかになり、アポの質が低下するため推奨しません。
Q. インサイドセールスは外注(代行)しても良いですか?
A. 可能です。ただし、「顧客の声(断り文句など)」が社内に蓄積されないリスクがあります。最初は社内で少人数から立ち上げ、トークスクリプトが固まってから拡大のために外注するのが成功パターンです。
Q. フィールドセールスとうまく連携するコツは?
A. 「パス(引き継ぎ)の条件」を合意することです。「なんとなく興味がありそう」レベルでパスするのか、「具体的な予算感がある」状態でパスするのか、この基準を明確にしないと相互不信の原因になります。

参考・出典

  • 『THE MODEL(ザ・モデル)』 福田 康隆(著)
  • BtoBマーケティングの一般的定義およびインサイドセールス実務慣行

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