IPレピュテーション (IP reputation) とは、メール送信時のIPアドレスにおけるレピュテーション=評判、信用を評価し、メール配信を制限する仕組みです。
ざっくりと言えば、評価が低いメールはスパムや迷惑メールとして判断し、ユーザーまで届かずにブロックされる可能性が高くなります。

IPレピュテーションは数量的に評価され、迷惑メールの送信や悪質なWebサイトの運用歴を加算し、IPアドレス単位でスコアリング、それをISP(インターネットサービスプロバイダー)に提供します。
ISP側がそのスコア情報をもとに、メールの受信をブロックしたり、迷惑メールとしてフィルタリングする仕組みになっています。

no junk mail迷惑メールお断り
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IPレピュテーションの評価指標

IPレピュテーションの評価指標は、IPアドレスがスパムリストに登録されているか(過去に迷惑メールを送ったことがあるか)、メールのタイトルや内容などにフィッシング詐欺やスパムメールなどに典型的なキーワードが入っているか、存在しない宛先にメール送信しているなど、メール送信者のふるまいに関するものが一つあります。

もう一つの指標としては、メール開封数や、メール内のリンククリック数、ユーザーからの迷惑メール報告数などのユーザーエンゲージメントに関するものです。
こうした指標に対し、評価が低いものは受信サーバーに届かずにはじかれるか、メールそのものの受信を停止したり、送信されたとしても迷惑メールフォルダへソートされます。

IPレピュテーションの評価によりIPアドレスの評価が下がってしまうと、それをすぐに回復することが難しくなります。
そのためメールを送信する際は、その条件や内容に十分留意しなければならないことがわかります。

IPレピュテーションはなぜ必要か

IPレピュテーションはスパムメールの増加によって生まれた仕組みです。
スパムメールの大量送信によって、メールボックスの容量増加や、重要なメールの見落としといった弊害が生まれてきた背景があります。

そのためIPレピュテーションはIPアドレスの安全性を確保し、こうした迷惑メールによるトラブルを防ぎつつ、スパムメールそのものを排除するために必要なものとして位置づけられています。

IPレピュテーションを維持するための3つの対策

メールを送る側としては、受信してもらうためにもIPレピュテーションを高める必要があります。
高いレベルを維持しておくためにも、常に評価を下げないように配慮しなければなりません。
IPレピュテーションを維持するために以下の対策をおすすめします。

正しいドメインからメールを送信する

送信するメールにSPF(Sender Policy Framework)やDKIM(DomainKeys Identified Mail)等で送信ドメイン認証がきちんと設定されている必要があります。
送信ドメイン認証が設定されていれば、メールがなりすましメールと判断されることがなくなるため、IPレピュテーションを下げないための有効な手段となります。

受信者に害のないメールを

メールを受信した人の多くが開封し、本文内にあるリンクをクリックするような、受信者にとって有益なメールを意識して作成する必要があります。
反対にユーザーが迷惑メール報告を行ったり、開封されずに放置されたり、頻繁にメールを送りすぎて煙たがられたりなど、ユーザーのマイナスイメージにつながるメールは送信を避けるべきです。
アンケートなどを定期的に行い、ユーザーの反応をチェックするなどケアを行います。

宛先リスト

宛先リストのアップデートもIPレピュテーションを下げないための有効な手段です。
メールが届かない宛先の放置や、開封してくれないユーザへの送信などを減らしていくことで、迷惑メール報告のリスクヘッジにもなります。
また使われていないメールアドレスがスパムトラップになっている可能性もあり、そちらにメールを送信しないためにも宛先リストの更新は必要なタスクです。

SPFレコードとは?仕組みや設定方法書き方など

レピュテーションスコア確認方法

IPレピュテーションのスコアチェックは以下のツールを使って行えます。

  • BarracudaCentral
  • https://barracudacentral.org/lookups
    バラクーダ社のサービスで、「低い」評価を持つ IP アドレスのリアルタイム データベース「Barracuda Reputation System」を利用したチェック機能です。
    IPアドレスかドメインを入力し、チェックすることができます。

  • Postmaster Tools
  • https://www.gmail.com/postmaster/
    Gmailの機能の一つです。Gmailに関するレピュテーションをチェックでき、配信エラー、IPレピュテーション、ドメインレピュテーションなどのデータが取れます。

  • Sender Score
  • https://senderscore.org/
    Sender Score社のチェックツールです。送信者評価の品質を0-100のスコアで確認できます。
    0に近いほどスコアが低く、100に近いほど評価が高いといった具合でチェックできるうえ、過去30日の平均値を確認でき、IPアドレスの健全性維持に役立てることができます。

レピュテーションリスク(reputation)とは?悪化要因事例や企業のリスク対策紹介

まとめ

IPレピュテーションは、メールの到達率を上げるだけでなく、下げないためにもスコア等を注視しなくてはなりません。
一度下がった評価は簡単に戻せない点に注意し、送信先やメールの内容にも気をつけながらマーケティング活動を行っていきましょう。