コミットメント(commitment)は一般的には約束、誓約、関与といった意味を持つ英語です。
ビジネスシーンでは業務内容や企業の業績などに対する「責任」や「約束」の文脈で、コミットメントが使われています。
例えば「この仕事にコミットメントをする」という場合、「この仕事を責任をもって引き受ける」という意味合いになります。
そのほか、プロジェクトにかかわる人にコミットメントを促す、業績に対して強いコミットメントを行うなど、いろいろなシチュエーションで使われます。
コミットメントの利用場面
ビジネスにおけるコミットメントを使うケースは、大きく2つのパターンに分かれます。
一つは「約束」、もう一つは「関与」です。
約束例文
「約束」の意味で使われるコミットメントは、”強めの意思”を含む文脈で使用されます。成果に責任を持つ、効果を約束するなどを表現したい場合の使い方です。
- 新規プロジェクトの成果にコミットメントする
- 施策実行後の結果にコミットメントする
英語には「約束」を表すプロミスという言葉がありますが、プロミスのほうがコミットメントよりも軽いニュアンスを含んでいるため、使用する場合はこれを理解しておく必要があります。
関与例文
「関与する」ことを表現する場合も「約束」と同様に、強めのニュアンスを含んだ言葉として認識されます。
- 新しいプロジェクトにコミットメントする
- 経営に積極的にコミットメントする
これらには、自ら主体性をもって働きかけていくという意思表明が含まれてくるため、それを理解して使う必要があるでしょう。
いろいろなコミットメント
コミットメントはほかの言葉と組み合わせて使われるケースがあります。
「コミットメントライン」は金融業界で見られる言葉で、お金を貸す側と借りる側が一定期間、融資枠の範囲での融資実行を表す際に使われます。
また「コミットメントフィー」は、コミットメントライン契約における支払手数料を指す言葉です。
同様に融資契約前の意思表明を行う書面を「コミットメントレター」と呼びます。
また金融業界に限らず「トップコミットメント」という言葉を耳にすることがありますが、これは企業の経営理念やCSRを含んだ経営者の所信表明を表しています。
帰属意識を高める「組織コミットメント」とは
「組織コミットメント」は、会社や組織において個人が抱く帰属意識や愛着を指す言葉です。
この組織コミットメントのありようで、組織で働く人やメンバーのモチベーションが変化すると考えられており、意欲的に働くことや離職率の低下、生産性の向上などに影響すると考えられています。
そのため、企業の人事部などでは従業員の組織コミットメントをいかにして高めるかがしばし大きな課題となります。
組織コミットメントを高める方法としては、メンバーの感情や価値観を理解し、その人物のスキルや特性に合った仕事や役割を与える方法があります。
人材を適材適所に配置することで、タスクに対する満足度や充実度が向上し、個人としても会社としても良好な環境づくりにつながります。
また組織の理念やビジョン、社会的意義などを使えることで、「この会社が好き」という共感を生み、情緒に訴えることで組織コミットメントを高める方法がとられることもあります。
組織の理念やビジョンに共感できる、自分もそのビジョン実現のために一生懸命頑張りたい、などの感情を抱く人が組織の中に増えれば、組織運営の良好な形が作られます。
個人のコミットメントの利点
組織コミットメントは組織における成果獲得が期待される一方で、個人が享受できるメリットも大きくなります。
個人においては、コミットメントを行う際にその実現に向けた行動の具体化に加え、成果に使がりやすくなる点、また周りの人間から個人が実現したいことも明確になるため、サポートや応援を受けやすいといったメリットがあります。
(この記事は2005年に掲載した記事を2014年と2022年に加筆修正更新したものです)