ブレイクスルーとは、新しい市場技術ソリューションなどに取り組む業界を特定し、それを革新的手法で大きな変革をもたらすことです。
「break(破壊する)」「through(通り抜ける)」を合わせた英語の「breakthrough」から来ており、本質の見直しや革新的な手法による新たな解決策により、仕事で流れる閉塞感を打破するものを「ブレイクスルー」と呼びます。
たとえば、インターネットを活用した新しいビジネスモデル、新しいCRM戦略、AIやモバイル技術の活用などです。ブレイクスルーを行うことで、革新的なビジネスソリューションや新しいサービスを提供することができるようになります。
マイナスの意味ではなく、アスリートや仕事面での成長を表しており、科学技術、一般常識など様々なシーンで使用され耳にします。疫病の広がりでは悪い意味でも使われますが、ビジネスシーンでは現状打破という良い意味で使用される言葉となります。技術的ブレイクスルーは、IT分野でよく使わる言葉として知られています。

ブレイクスルーとイノベーション
「ブレイクスルー」は仕事上での困難な現状を劇的な変化へ向けて突破する場合や、立ちはだかる仕事上の障害を打破して成長をする時に使用される言葉です。
「ブレイクスルー」と同じ場面で使われやすい言葉として「イノベーション」がありますが、違いを認識する必要があります。
ブレイクスルーは現状を「突破・打破」する時に、「イノベーション」は現状を「革新・刷新」へと導き、新しい社会へと生まれ変わらせる時の言葉であるとの認識を持って使われるのが正しいです。
イノベーションは、従来の状況を劇的に変えて新しい価値を生み出して、社会的な変化へと導く言葉として使用される言葉です。仕事上で新機軸や新しい切り口、新しい考え方を求める姿勢に重点を置かれるのが「イノベーション」であります。
ブレイクスルーはイノベーションの一つの形態と捉え使用しているのが、一般的な考えとされていますが、混同して使用されがちな言葉でもあります。
ブレイクスルーは仕事での困難や障害を打ち破るための行動を示す言葉です。現状を劇的に変化させる点で「ブレイクスルー」は、現状を「突破・打破」する場合にのみ使うようにすべき言葉と覚えておく必要性があります。
ブレイクスルーの成功事例
以下に3つの企業の具体例、インターネットの活用事例を説明します。
- コクヨ
- ベネトン
- ソニー
コクヨ
中国国内での日本製品の不買運動が活発化した時、大手文具メーカーのコクヨは、自社の模倣品を販売している中国メーカーの製造を請負うという「ブレイクスルー」で中国事業を守り抜きました。多くの日本企業が苦戦する中で、コクヨの製品は順調に売れ行きを伸ばすチャンスを得たのです。
ベネトン
ベネトンの「ブレイクスルー」の成功例は「後染め」という技術の開発です。チャンスロスを起こしやすい従来の方法とは異なる、無地の生地を大量に生産した後にプリントする「後染め」の技術でベネトンは流行を逃さず成功を収めました。「後染め」による「ブレイクスルー」は、ベネトンを世界的なアパレルメーカーへ成長させたのです。
ソニー
社内の多数の反対意見を押し切って販売した「ウォークマン」は、ソニーの「ブレイクスルー」の成功例です。自宅でラジカセやステレオで聴いていた音楽を、より便利に聞くために小さくして外へ持ち出すアイデアを商品にしたのが「ウォークマン」です。「ウォークマン」は音楽を持ち運ぶ文化へ進化させました。
インターネットを活用した事例
ネットフリックスのようなストリーミングサービス、Uberのような共有経済サービスを挙げることができます。
また、CRM戦略の事例としては、クレジットカード会社のようなマーケティング戦略を活用して、顧客喪失を防ぐ戦略などが挙げられます。
AI・モバイル技術を活用した新しいサービスの事例としては、スマートスピーカーのようなニューラルネットワークを活用した音声認識サービスや、スマートフォンなどを活用した位置情報活用サービスなどが挙げられます。
まとめ
仕事の上での問題や障害を解決、突破をして乗り越え成長へとつなげていくのが「ブレイクスルー」です。仕事では経験を重ねるほど、行き詰まった状況に出会う機会は多く、打開策を探すための行動を求められます。
「ブレイクスルー」により現状を打破すれば、ビジネスチャンスにつながり、会社も自身も成長へ導かれます。「ブレイクスルー」の正しい使用法と共に活用する場面を正確に見出せば、ビジネスチャンスへもつながっていきます。新しいビジネスモデルを構築する挑戦をして、市場を革新し、組織の成長を促進していくことが大切です。
(この記事は2005年に掲載した記事を2015年と2023年に加筆修正更新したものですt)