ブレイクスルーとは、ビジネス上での困難や現状を劇的な変化へ向けて突破する場合や、立ちはだかる仕事上の障害を打破して成長をする時に使用される言葉です。

「break(破壊する)」「through(通り抜ける)」を合わせた英語の「breakthrough」から来ており、本質の見直しや革新的な手法による新たな解決策により、仕事で流れる閉塞感を打破するものを「ブレイクスルー」と呼びます。

マイナスの意味ではなく、アスリートや仕事面での成長を表しており、科学技術、一般常識など様々なシーンで使用され耳にします。疫病の広がりでは悪い意味でも使われますが、ビジネスシーンでは現状打破という良い意味で使用される言葉となります。技術的ブレイクスルーは、IT分野でよく使わる言葉として知られています。

雲の間から差し込む光
Pixabay画像:雲の間から差し込む光

ブレイクスルー

企業が新たな価値創造の道を見つけ、その業績に大きな飛躍をもたらす重要な変化のことを言います。
これは新製品の開発、新市場の開拓、業務プロセスの革新など、様々な形で起こり得ます。このようなブレイクスルーは、企業が競争優位を維持し、市場の変化に対応し、持続的な成長を達成するための重要な要素となります。

ブレイクスルーとは、新しい市場技術ソリューションなどに取り組む業界を特定し、それを革新的手法で大きな変革をもたらすことです。
ウィキペディア:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%AB%E3%83%BC

イノベーション

ブレイクスルーと同じ場面で使われやすい言葉として「イノベーション」がありますが、違いを認識する必要があります。

ブレイクスルーは現状を「突破・打破」する時に、「イノベーション」は現状を「革新・刷新」へと導き、新しい社会へと生まれ変わらせる時の言葉であるとの認識を持って使われるのが正しいです。
イノベーションは、従来の状況を劇的に変えて新しい価値を生み出して、社会的な変化へと導く言葉として使用される言葉です。仕事上で新機軸や新しい切り口、新しい考え方を求める姿勢に重点を置かれるのが「イノベーション」であります。

ブレイクスルーはイノベーションの一つの形態と捉え使用しているのが、一般的な考えとされていますが、混同して使用されがちな言葉でもあります。
ブレイクスルーは仕事での困難や障害を打ち破るための行動を示す言葉です。現状を劇的に変化させる点で「ブレイクスルー」は、現状を「突破・打破」する場合にのみ使うようにすべき言葉と覚えておく必要性があります。

イノベーション(innovation)とは

ブレイクスルーの事例

Apple Inc.のiPhone

この製品は、モバイル通信とインターネットの世界に革新的な変化をもたらし、スマートフォン市場全体を再定義しました。これにより、Appleは競争優位を確立し、その市場地位を強化し、持続的な成長を達成しました。この事例は、ブレイクスルーがどのように企業の業績に大きな影響を及ぼすかを示しています。

テスラ社の電気自動車 (EV)

伝統的なガソリン車が主流だった自動車市場において、テスラは電気自動車という新しいカテゴリーを作り出しました。テスラの技術革新は、業界全体の方向性を変え、消費者の意識や行動を大きく変革したのです。この結果、テスラは世界的なブランドとなり、その市場地位を強化しました。この事例からも、ブレイクスルーが企業の成功にどれほど重要であるかがわかります。

コクヨ

オフィス家具の再定義があります。コクヨは、単に機能性とデザイン性を追求するだけでなく、ワークスタイルの変化や働き方改革に対応した家具を開発することで、オフィス家具市場において新たな価値を提供しました。特に、フレキシブルな働き方を実現するためのモジュラー型家具や、テレワークに対応した家具などは、新たなニーズに応える製品として注目を集めています。

ソニー

ポータブルミュージックプレーヤー”ウォークマン”の開発が挙げられます。ウォークマンは音楽体験を根本から変え、個々のリスナーに音楽を持ち運び、いつでもどこでも楽しむ自由を与えました。この画期的な製品は、ソニーがエレクトロニクス業界でリーダーシップを維持し、その市場地位を強化する助けとなりました。さらに最近では、ソニーは高品質な画像センサー技術で再びブレイクスルーを達成し、スマートフォンカメラの革命を先導しました。

ネットを活用したブレイクスルー

インターネットの世界でも、多くの企業がブレイクスルーを達成しています。その一例としてアマゾンの存在が挙げられます。
元々はオンライン書店としてスタートしたアマゾンは、ECサイトとしての地位を確立しただけでなく、クラウドサービスのAWSや音声認識AI「アレクサ」の開発など、テクノロジーの最前線で革新を続けています。

また、Netflixも同様にブレイクスルーの一例と言えるでしょう。映画やTV番組のストリーミングサービスとして成功を収めたNetflixは、独自のコンテンツ制作にも乗り出し、映像エンターテイメントの新たな形を生み出しています。これらの企業は、インターネットを通じた新しいビジネスモデルの創出というブレイクスルーを達成し、その業績に大きな飛躍をもたらしました。

現状を突破・打破を目指すには

ブレイクスルーを達成するためには、まず市場や技術のトレンドを深く理解し、その上で自社の強みやリソースを最大限に活用することが必要です。未開拓の市場を見つけ出したり、新しい技術を取り入れることで、既存のビジネスモデルや産業を変革する機会が生まれます。これがブレイクスルーの基本的な使い方と言えるでしょう。
ブレイクスルーは、自社のビジョンや戦略を具現化するための手段でもあります。そのため、企業は自社のビジョンや戦略とブレイクスルーとを結びつけることで、大きな成長を遂げることができます。

また、ブレイクスルーは組織全体の意識改革をもたらし、新たな挑戦を推奨する文化を醸成します。これにより、組織のメンバーは新しいアイデアを生み出し、積極的に挑戦することが可能となります。これがブレイクスルーの理想的な使い方とも言えるでしょう。
つまり、ブレイクスルーを達成するためには、市場や技術のトレンドを理解し、自社のビジョンと戦略を具現化し、組織全体の意識改革を推進することが重要なのです。

まとめ

仕事の上での問題や障害を解決、突破をして乗り越え成長へとつなげていくのが「ブレイクスルー」です。仕事では経験を重ねるほど、行き詰まった状況に出会う機会は多く、打開策を探すための行動を求められます。

「ブレイクスルー」により現状を打破すれば、ビジネスチャンスにつながり、会社も自身も成長へ導かれます。「ブレイクスルー」の正しい使用法と共に活用する場面を正確に見出せば、ビジネスチャンスへもつながっていきます。新しいビジネスモデルを構築する挑戦をして、市場を革新し、組織の成長を促進していくことが大切です。

(この記事は2005年に掲載した記事を2015年と2023年に加筆修正更新したものですt)