テスティモニアル広告とは?BtoBで「お客様の声」が成約率を劇的に上げる理由と作り方

「機能は競合より優れているはずなのに、なぜか選ばれない」
「営業トークは完璧だったのに、最後に『検討します』で逃げられた」
もしあなたがこのような壁にぶつかっているなら、足りないのは「商品の魅力」ではなく、「安心感(証拠)」かもしれません。
BtoBマーケティングにおいて、この「安心感」を最も強力に醸成するのが、今回解説する「テスティモニアル(お客様の声)」です。
この記事では、単なる感想文で終わらせない、成約率を劇的に高めるための戦略的な「声」の活用法を解説します。
テスティモニアル広告(Testimonial)とは?
テスティモニアル(Testimonial)とは、直訳すると「証明書」「推薦状」という意味です。
マーケティング用語としては、実際に商品やサービスを利用した「お客様(第三者)の評価・感想・事例」を用いた広告手法のことを指します。
企業が言う「良い」より、顧客が言う「良い」
なぜテスティモニアルが重要なのでしょうか。その根拠となるのが、心理学の「ウィンザー効果」です。
人間は、当事者(売り手)が発信する情報よりも、利害関係のない第三者(顧客)が発信した情報の方を「信憑性が高い」と感じる心理傾向のこと。
営業マンが「ウチの商品は最高です!」と言うのは当たり前であり、顧客はそれを割り引いて聞きます。
しかし、同じ立場のユーザーが「これは導入して正解だった」と言えば、その言葉は疑いようのない「事実」として受け入れられます。
なぜBtoBでこそ「お客様の声」が最強なのか
BtoC(個人向け)以上に、BtoB(法人向け)でテスティモニアルが重要視される理由があります。
それは、BtoBの決裁者が常に「失敗への恐怖」と戦っているからです。
- 「もし導入して効果が出なかったら、自分の責任になる」
- 「変な業者と契約して、社内の評判を落としたくない」
彼らが求めているのは、画期的な機能よりも「失敗しないという保証」です。
「同業の〇〇社も使っている」「あの有名企業も導入して成果が出た」という事例(テスティモニアル)は、決裁者にとって「私が選んだ判断は間違っていない」と社内を説得するための、最強の免罪符(武器)になるのです。
ただ載せるだけじゃダメ!「売れるお客様の声」3つの構成要素
「お客様の声」といっても、「とても良かったです。対応も親切でした」といった抽象的な感想だけでは、BtoBの購入・契約の後押しにはなりません。
読み手の心を動かし、コンバージョン(問い合わせ)へ繋げるためには、以下の3要素を含める必要があります。
1. 具体的な「Before / After」の数字
ビジネスにおいて、最も信頼されるのは「感情」ではなく「数字」です。
どのような課題があり、導入後に数字がどう変化したかを記載しましょう。
「事務作業がとても楽になりました!」
「月間30時間かかっていた入力作業が、導入後は5時間に短縮。残業代を年間100万円削減できました。」
2. 導入前の「不安・悩み」への共感
成功した結果だけでなく、「導入前に抱えていた不安」を語ってもらうことも重要です。
「最初は本当に効果があるのか半信半疑でした」「他社と比較してコスト面で迷っていました」
こうした「迷い」をあえて掲載することで、いま同じように迷っている検討客が「自分と同じだ」と共感し、「この人も最初は迷ったけど、結果的に成功したんだ」という安心感を与えられます。
3. 実名・顔写真・社名の権威性
可能な限り、「会社名」「担当者名」「顔写真」を掲載しましょう。
特にBtoBでは、「A様(30代男性)」のような匿名表記では、信憑性が著しく低下します。
「実在する企業の担当者が、顔を出して推奨している」という事実そのものが、「このサービスは、顔を出しても恥ずかしくないクオリティである」という強力な証明になります。

ただの感想文では人は動きません。「数字・共感・権威性」の3セットを意識して事例を作成しましょう。
今日からできる!効果的な「お客様の声」の集め方
「お客様に声をかけるのは迷惑ではないか…」と躊躇する営業マンも多いですが、満足している顧客は案外、協力的なものです。
ただし、漫然と「感想をください」と言うだけでは、良いコメントは集まりません。
1. タイミングが命(納品直後・成果が出た直後)
鉄は熱いうちに打てと言いますが、依頼のタイミングは「顧客の満足度が最高潮に達した瞬間」がベストです。
- 商品が納品され、無事に稼働し始めた直後
- 「おかげで助かったよ」とお礼の言葉をもらった直後
- 具体的な成果(売上アップやコスト削減)が出た定例ミーティングの場
このタイミングで「今の素晴らしいお言葉、ぜひ事例として弊社のWebサイトで紹介させていただけないでしょうか?」と切り出せば、断られる確率はグッと下がります。
2. アンケート用紙ではなく「インタビュー」形式で
紙やメールで「アンケートにご協力ください」と投げると、多くの人は面倒くさがり、「良かったです」「特に問題ありません」といった無難で短い回答になりがちです。
熱量のあるストーリーを引き出すには、対面(またはZoom)でのインタビューが最も効果的です。
以下の質問リストを参考に、顧客の言葉を引き出しましょう。
- 「弊社の商品を知る前は、どのようなことにお困りでしたか?」(Before)
- 「何が決め手となって、弊社を選んでいただけましたか?」(比較検討)
- 「実際に導入してみて、一番変わった数字や成果は何ですか?」(After)
- 「この商品は、どのような企業(人)におすすめしたいですか?」(推奨)
3. 【重要】ステマ規制と謝礼のルール
2023年10月より「景品表示法」が改正され、いわゆるステマ(ステルスマーケティング)規制が施行されました。
BtoBの事例掲載においても、以下の点に注意が必要です。
- 自社サイトへの掲載: 自社のWebサイトやチラシに掲載する分には、そこが「広告の場」であることは明らかなので、基本的には問題ありません。
- 顧客のSNSでの発信: もし、顧客に謝礼(Amazonギフト券や割引など)を渡して、顧客自身のSNSやブログで「おすすめ」と書いてもらう場合は、必ず「#PR」「#プロモーション」等の表記を義務付ける必要があります。
また、「内容の捏造」は論外です。いただいた言葉を要約するのはOKですが、言ってもいないことを創作して掲載するのは法律違反(優良誤認表示)となります。
必ず原稿を作成した後、顧客に「この内容で公開しても良いか」の最終確認(許諾)を取りましょう。
テスティモニアルの活用場所(Web・DM・チラシ)
集めた「宝(お客様の声)」は、見てもらわなければ意味がありません。
BtoBマーケティングにおいて、特に効果を発揮する3つの設置場所を紹介します。
LP(ランディングページ):CVボタンの直前
Webサイトで申し込みボタン(CVボタン)を押す直前、ユーザーは最後のためらいを感じます。
そこに「私も最初は不安でしたが、導入して正解でした」という声を配置することで、背中を押し、コンバージョン率を高めることができます(バンドワゴン効果)。
DM・チラシ:裏面の半分を占有させる
紙のDMにおいて、表面は「キャッチコピーとオファー」ですが、裏面は「信頼性の証明」に使うのが鉄則です。
スペースの許す限り、写真付きの事例を掲載しましょう。
「こんなに多くの会社が使っているなら安心だ」という群集心理を刺激します。
▶【関連記事】BtoBダイレクトメール(DM)の反応率を上げるテクニックに戻る
営業資料:導入実績スライド
商談の冒頭で「同業界の導入事例」を見せることで、「御社の業界のことはよく理解しています」というメッセージになり、その後の提案がスムーズに通りやすくなります。
まとめ:お客様の声は、最強の営業マンである
BtoBにおいて、テスティモニアル広告(お客様の声)は、単なる「おまけコンテンツ」ではありません。
それは、警戒心の強い決裁者を安心させ、失敗への恐怖を取り除く「最強の営業ツール」です。
- 数字で見せる: 「良かったです」ではなく「コスト20%削減」
- 共感を呼ぶ: 導入前の悩みや不安もあえて載せる
- 権威性: 実名・顔写真・社名をいただく
まずは、関係性の良い既存のお客様に「インタビューさせていただけませんか?」と連絡することから始めてみてください。
その一本の電話が、将来の成約を何件も生み出すことになるはずです。
お客様の声(導入事例)に関するよくある質問
- Q. お客様が「顔写真」を嫌がる場合はどうすれば良いですか?
- A. 無理強いは禁物です。その場合は「似顔絵イラスト」や「会社のロゴ」、「商品を使用している手元の写真」などで代替しましょう。また、写真はNGでも「社名と実名」だけならOKもらえるケースも多いです。
- Q. 長いインタビューを短く編集しても良いですか?
- A. 文意(ニュアンス)が変わらない範囲での「要約」や「読みやすくする修正」は問題ありません。ただし、編集後は必ずお客様に原稿を確認していただき、許可を得てから公開してください。
- Q. 謝礼(インセンティブ)を渡すのは法律違反ですか?
- A. 謝礼を渡すこと自体は違法ではありません。ただし、謝礼と引き換えに「良い口コミを書くこと」を強制し、それを隠して(広告であることを明示せずに)第三者のSNS等で発信させた場合は、ステマ規制に抵触する恐れがあります。
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