BtoB企業向けメルマガ配信は文章力よりもデータの活用や分析が重視されます。
BtoB企業向けメルマガ配信では、読者にアクションを起こしてもらうことが最優先されるためです。
ここではBtoB企業向けメルマガ配信の書き方の5つのコツを紹介します。

スマホでメール確認
Pixabay画像:スマホでメール確認

BtoB企業向けメルマガ配信の目的は購買や集客につなげること

BtoB企業向けメルマガ配信の目的は、商品やサービスの購買やイベントやセミナーなどの集客につなげることです。

メルマガ(メールマガジン)は「読み物」としての印象が強いせいなのか、文章力やおもしろさを重視しなければならない…と思われている方も多いかもしれません。
文化人や評論家、作家やアーティストなどの場合、ファンを楽しませる、新たなファンを開拓するためには、質の向上や内容のおもしろさを追求する必要があるでしょう。

一方、BtoB企業向けメルマガ配信では、文章力やおもしろさはそれほど重視されません。
何故ならば、メルマガによってアクションを起こしてもらうことが最優先されるためです。

  • 商品やサービスに興味を持っている人に購入してもらう
  • イベントやセミナーに興味を持つ人に足を運んでもらう

BtoB企業向けメルマガ配信の場合には、上記の目的を達成するためのデータの活用や分析がカギとなります。

BtoB企業向けメルマガ配信の書き方・5つのコツ

BtoB企業向けメルマガ配信の書き方のコツとして、以下の項目を順番に解説していきます。

  1. リストの分割
  2. 開封されやすい差出人の書き方
  3. 開封に結びつく件名(タイトル)の書き方
  4. 本文はシンプルに要件を伝える
  5. BtoB企業向けメルマガ配信のタイミング

リストの分割

まず最初にメルマガの配信先のリストの中から、購入や集客につながりやすい相手と、興味は持っているが理解度は低めの相手に分けていきましょう。

 対象例
購入や集客につながりやすい(かも?)・商品やサービスを検討中
・以前は利用していたが解約した
・好感を得ていたが他社サービスを選んだ
興味は持っているが理解度は低め(かも?)・公式サイトなどからメルマガに登録した方
・セミナーやイベントの出席者
このほかにも、リストの登録時期やどのような形でリストに登録されたのか?によって分割していくやり方もあります。

メルマガの配信先リストが分割できましたら、それぞれのリストごとにメルマガの内容を変えるのがコツです。
購入や集客につながりやすい(かも?)⇒商品やサービスの訴求
興味は持っているが理解度は低め(かも?)⇒どのような商品やサービスなのか?の説明も含める

開封されやすい差出人の書き方

BtoB企業向けのメルマガでは、差出人の書き方が開封率に影響を与える要素のひとつです。

判断要素回答率(複数回答有り)
メルマガの件名0.422
メルマガの送信元(差出人)0.322
基本的に届いたメルマガは読む0.298
(見落としたものは除く)
本文の冒頭部の内容0.23
読む時間があること0.114
メルマガが届いても読まない0.062
※有効回答数:500
参考資料:メールマガジンに関する意識調査2020
https://mailmarketinglab.jp/survey-about-mail-magazine-2020/

差出人情報例

メルマガの差出人の書き方によっては、迷惑メールと判断されるリスクも。そのためにも「誰から」「どこから」のメルマガ配信なのか?を明確にしておきたいところです。

 差出人情報例
開封されやすい差出人情報・株式会社■■■<○○○@○○.jp>
・知名度を持つサービス名<○○○@○○.jp>
迷惑メールと判断される差出人情報・<○○○@○○.jp>
※メールアドレスのみで差出人が不明
・謎のサービス名<○○○@○○.jp>
※名称だけで「怪しい」と判断される可能性あり

開封に結びつく件名(タイトル)の書き方

BtoB企業向けのメルマガを開封に結びつけるコツには、件名の書き方も含まれます。
メルマガのタイトルによって、開封するか?否か?を決めるケースも少なくないことが、前述のデータでも示されているほどです。

件名(タイトル)の書き方は次の2点を抑えておきましょう。

  • タイトルの文字数は15文字前後
  • 左端にアピール要素を記す

タイトルの文字数は15文字前後

2020年代はスマートフォンが普及したこともあり、WEBサイトの閲覧もスマホで行う方が多くなっています。WEBサイトによっては、90%以上がスマホでの訪問という事例もあるようです。

スマートフォンにてメール一覧に表示される件名(タイトル)の文字数は15文字以内。パソコンの場合なら20文字程度です。
文字数の関係もありますが、件名(タイトル)には「サービス名」や「社名」は含めなくても問題ありません。「サービス名」や「社名」は差出人情報で表示されるためです。

横書きの文章の場合、左から右に向かって読むことが一般的です。
件名(タイトル)の左側にアピール要素を記すことで、より人の目に留まりやすくなります。

  • 【初回限定無料】○○○○
  • 【3日で変わる!】○○○○
  • 【3ヶ月で○%アップ】○○○○

本文はシンプルに要件を伝える

BtoB企業向けメルマガ配信の本文は、シンプルに要件を伝えることがコツとなります。
長々と時候の挨拶などをする必要はありません。
大抵のメルマガが読まれる時間は、7秒間程度と言われていることがその理由です。

個人差はあるかと思われますが、1秒間に読む(目で追える)文字数は10文字ほど。(10文字×7秒間=70文字)このほんのわずかな時間内で、この情報は必要か?不要か?を判断しています。
そのため、以下のような形で本文を構成していくのがおすすめです。

メール本文構成

  1. 冒頭の挨拶
  2. 商品やサービスのリンク先(バナータイプやボタンタイプ)
  3. 商品やサービスの簡易な説明
  4. 購読解除方法(オプトアウト)
  5. お問い合わせ先(差出人情報)

メルマガを開封して最初に視界に入る範囲に、バナータイプやボタンタイプのリンク先を挿入することで、クリック率の上昇につながりやすくなります。

BtoB企業向けメルマガ配信のタイミング

メルマガ配信のタイミングは、週に1回から2回。できれば火曜日から木曜日の日中の時間帯がおすすめです。

ニュースレター
Pixabay画像:ニュースレター

月曜日は週末に届いたメールの中から、返信が必要なものなどを選別する作業に追われる可能性が高いと言われています。そのため、月曜日に送付したメルマガは大量のメールの中に埋もれやすく、開封率も低くなることが予想されるでしょう。

金曜日は週末の休日を控えているため、可能な限り勤務時間内に業務を一区切りさせることが優先事項となりがちです。物理的にメールを見ている時間が確保できないケースもあるかもしれません。

メルマガが読まれやすい時間帯の参考として、以下のデータをご紹介します。

時間帯回答率(複数回答有り)
平日の朝(外出前)0.216
平日の通勤時および通学時0.148
平日の仕事中0.093
平日の仕事の休憩時間中0.294
平日の夜間(帰宅後)0.603
休日の朝(外出前)0.146
休日の日中稼働時間0.101
休日の日中余暇時間0.417
休日の夜間(帰宅後)0.342
参考資料:メールマガジンに関する意識調査2021

BtoBでは平日の仕事の休憩時間中。
BtoCでは平日の夜間(帰宅後)に、メルマガが読まれる率が高いことが示されています。
そのあたりを踏まえた上で、メルマガ配信を進めていくと良いかもしれません。

メルマガ配信のまとめ

ここまで、次の内容を紹介してきました。

  • BtoB企業向けメルマガ配信の目的は購買や集客につなげること
  • —BtoB企業向けメルマガ配信の書き方・5つのコツ—
  • 開封されやすい差出人の書き方
  • 開封に結びつく件名(タイトル)の書き方
  • 本文はシンプルに要件を伝える
  • BtoB企業向けメルマガ配信のタイミング

メルマガの開封率は20%から30%、クリック率はおおむね1%前後です。
そしてクリックから購入や参加といった結果に結びつくのは、クリックされた数の1%から2%程度とされています。

(このページは2014年に掲載した記事を2015年と2022年に加筆修正更新したものです)