ロールベースのメールアドレス、ロールアドレス (role address) は、info@、marketing@、sales@、support@といったような、一定の役割を割り当てられたメールアドレスのことです。
個人用のyamada@、suzuki@、kuroki@などとは、異なる特徴を持っています。

ロールベースとは、特定の役割(ロール)に基づいてアクセス権や機能を割り当てるシステムや方法のことを指します。このアプローチは、組織内の認証と承認のプロセスを管理するためによく使用されます。

例えば、あるユーザーがマネージャーの役割を持っている場合、そのユーザーは従業員の営業活動データへのアクセス権を持つかもしれませんが、会計の詳細情報へのアクセス権は持たないかもしれません。これにより組織は情報への適切なアクセスを制御し、セキュリティを強化する事ができます。

さらに、ロールベースのシステムでは、役割の変更や追加が容易です。新たな役割が必要になった場合、システム管理者は新しいロールを作成し、必要なアクセス権や機能を割り当てることができます。これにより、組織の成長や変化に柔軟に対応することができます。
ロールアドレス一覧

ロールアドレスとは

ロールベースのメールアドレス、またはロールアドレスとは、特定の職務や役割に関連したメールアドレスのことを指します。これは個々の人ではなく役割や部署にメールを送るためのもので、例えば代表メール「info@company.com」やサポート部署「support@company.com」や営業チーム「sales@company.com」のような形式を取ることが多いです。これにより、特定の役割に関連した問い合わせや情報が適切な人々に効果的に送られます。

このようなロールベースのメールアドレスの利点は、役割や部署が変わってもメールアドレスを変更する必要がないことです。例えば、ある社員が「sales@company.com」の担当から「marketing@company.com」の担当に変わった場合でも、メールアドレスを変更する必要はありません。これにより、スムーズな業務の継続性が確保されます。

さらに、ロールベースのメールアドレスは、組織内の情報共有を容易にします。特定の役割に関連する情報は、その役割に対応したメールアドレスに送られるため、関係者が迅速に必要な情報にアクセスできます。また、複数の人が同じ役割に対応する場合でも、ロールベースのメールアドレスを使用することで、情報の一元管理が可能になります。このように、ロールベースのメールアドレスは組織内の効率的なコミュニケーションを支援し、業務の円滑さと効果性を高める重要なツールです。

よく利用されているロールアドレス

ロールアドレスには先述したinfo@、marketing@以外にも複数の種類があり、数百種類を超える数が存在します。

ロールアドレスの種類は、ネット検索すれば一覧表などを探し当てることもできますが、Webサイトによって数がまちまちです。明確な抽出方法がないため、どんなロールアドレスがどのような意味で使われているか調べるのは、かなり骨の折れる作業です。
代表的なロールアドレスとその役割について以下で紹介します。

info@、marketing@など

マーケティングで広く利用されているロールアドレスです。会員や購入者に対して送信される製品やサービスなどの情報、広告や宣伝などに関するメールを送信する際に使われています。
メルマガ登録したお店や会員登録したWebサイトなどから、こちらのメールアドレスでメールが届くのを見たことがあるかもしれません。

support@ , all@など

すべてのユーザーや、すべての従業員などのくくりで、一度に多くの人が受け取れるようにロールベース化したメールアドレスです。情報共有のためのロールアドレスと言っていいでしょう。
support@~というアドレスで、顧客サービスに関連して、商品やサービスに対するユーザーからの問い合わせに対する受信や、送信時のアドレスとして利用されるケースが目立ちます。

ftp@ , uucp@

一般的にはあまりなじみのないアドレスですが、こちらはプログラムやサービスなどのインターフェースに使われているメールアドレスです。その意味で、サービス用メールアドレスと呼ばれています。

admin@ , ceo@

ある特定のユーザー、地位、役職等に利用されるロールアドレスです。特定の受信者が個人というより、その役割を持つ人が受信者となるイメージで、役職用アドレスと呼ばれています。

test@ , asdf@

たとえば社内で新しいWebページを作ったり、機能を実装したりする場合にテストアカウント用にメールアドレスを付与されるケースがありますが、そうしたロールアドレスとしてこちらが利用されています。こうしたロールアドレスは外部には公開されず、もっぱら内部でのみ利用されるケースがほとんどです。

webmaster@

Webサイトに関する問い合わせを受信したり、ユーザーからのメールに対応する際に広く使われているロールアドレスです。

postmaster@

こちらはメールに関する問い合わせを受信したり、ユーザーに対して対応したりする際に使われているロールアドレスです。

spam@ , abuse@

一般ユーザーがあまり見かけない、spam@ , abuse@といったロールアドレスは、スパムなどの迷惑行為を行っている送信元を特定するために使われることがあります。

accounting@ , hr@

経理会計部関係のアドレス、人事部関係

アドレスのユーザー名一覧

role addressrole address
admin@accounts@
contact@administration@
customer@ads@
hello@adwords@
home@allstaff@
info@announce@
information@assistenza@
mail@backup@
office@biz@
order@booking@
post@campaign@
postmaster@captain@
privacy@care@
recruit@careers@
sales@central@
service@client@
shop@clinic@
staff@consulting@
support@contact-us@
web@core@
webmaster@corp@
welcome@corporate@
administrator@corporatesales@
all@creative@
ask@csm@
contactus@customercare@
cs@domain@
customerservice@employment@
email@enquiries@
general@europe@
inquiry@expert@
ir@facebook@
mailbox@fbl@
marketing@feedback@
master@finance@
media@friends@
pr@frontdesk@
press@group@
reception@head.office@
request@homes@
root@hotel@
sale@hotline@
school@house@
security@hq@
shopping@hrdept@
store@import@
studio@inquiries@
tech@intern@
www@internship@
ceo@investor@
company@IPhone@
compliance@jobs@
design@lead@
eng@logistics@
enquiry@management@
event@md@
global@me@
head@member@
headoffice@members@
help@mkt@
hi@moreinfo@
HR@mt@
infor@music@
job@network@
parts@newsletter@
personnel@no-reply@
product@orders@
sales1@owners@
smile@partner@
system@planning@
webadmin@postbox@
work@prepress@
adm@president@
alpha@prod@
apply@products@
business@project@
career@purchase@
concierge@qa@
data@receptionist@
director@recruiting@
export@recruitment@
food@reservation@
helpdesk@reservations@
international@returns@
manager@rh@
news@sac@
noreply@sales2@
online@science@
abuse@se@
academy@secretary@
account@sem@
accounting@seo@

ロールアドレスへメール配信するメリット

ロールアドレスへの営業メール配信は、ビジネスにおいて多数のメリットをもたらします。まず、これにより企業は特定の部署や役職に直接連絡を取ることが可能となり、情報が迅速に適切な人々に届くことを保証します。

例えば、営業部門が新商品の広告宣伝メールをロールアドレスを通じて送信することで、関連する全ての従業員が迅速かつ効率的に情報を共有し、チームの連携を強化することができます。
また、個々の従業員のメールアドレスが変わった場合でも、ロールアドレスは通常変わらないため、連絡先の維持管理が容易となります。これにより、従業員の配置転換や退職などの変動があっても、業務の連続性を確保することができます。

さらに、ロールアドレスへのメール配信は、コミュニケーションの効率を向上させ、組織全体の業績向上に貢献する可能性があります。例えば、プロジェクトの進捗状況や重要な情報をロールアドレスを通じて共有することで、関係者間のコミュニケーションが円滑化し、意思決定の迅速化や問題解決の効率化に繋がるでしょう。
ロールアドレスへの営業メール配信は、効果的なビジネスコミュニケーションを促進し、組織の成果を最大化する重要な手段です。

デメリット注意点

しかし一方で、ロールアドレスへの営業メール配信にはデメリットも存在します。最も大きな問題の一つは、ロールアドレスは一般的に複数の人が共有しているため、メールが直接対象者に届かない可能性があることです。
これは、重要な情報が見落とされるリスクを高めます。また、ロールアドレスは、スパムメールの対象となりやすいため、真剣に読まれない可能性もあります。

さらに、ロールアドレスへのメールは個々の受取人のメールプレファレンスに合わせてパーソナライズすることが難しく、その結果、メッセージの効果が減少する可能性があります。例えば、特定の受取人に対して重要な情報を提供する場合、ロールアドレスを使用して送信すると、他の受取人にも同じメッセージが届く可能性があります。このような場合、受取人はメールを重要視せず、見落としてしまうかもしれません。

さらに、ロールアドレスは特定の担当者に直接連絡する手段ではありません。重要な問い合わせや要件がある場合、ロールアドレスに送信すると、返信が遅れる可能性があります。これは、スムーズなコミュニケーションを妨げる要因となるでしょう。
以上のように、ロールアドレスへの営業メール配信はデメリットが存在するため、注意が必要です。重要な情報を効果的に伝えるためには、個別の受取人に合わせたパーソナライズされたメールを送信することをおすすめします。

まとめ

ロールアドレスは、特定の役割を与えられたメールアドレスであり、メールを送信する側、多くは企業側にとってみれば、その利用はマーケティング上有効な手段と言えます。
しかしながら、ロールアドレスが含まれた宛先にメールを送信した場合、その到達率の低下や、迷惑メール報告の増加といったマイナス面を被る可能性があると考えられています。

実際にロールアドレスが含まれている宛先リストにメールを一斉送信した場合、配信停止の増加、到達率、エンゲージメント率の低下などそれを裏付けるデータも存在します。
中小企業や小規模事業者へは、それほど気にする必要はないと思いますが、従業員の多い中堅企業や大企業へは細心の注意が必要です。

特電法対応法人企業営業メールアドレスリスト180万業種一覧

(この記事は2022年に掲載した記事を2023年に加筆修正更新したものです)