バウンスメール (bounce mail) は、エラーなどにより相手先にメールが届かない不具合を意味します。しばしば発生するため、軽く考えてしまいがちですが、ビジネスコミュニケーションの質を下げる原因となるため、早めの対処が肝心です。

今回の記事ではバウンスメールの仕組みや原因、エラーの種類リスク対策などを紹介していきます。

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バウンスメールとは?

バウンスメール(bounce mail)は配信できなかったメールのことを意味します。メールの送受信プロセスのどこかで不具合があったことにより、通常はエラーメッセージを受信することで露見します。

メールが届くまで

バウンスメールは次のメール送信のプロセスのどこかで不具合があり、受信者にメールが届かない事象を意味します。

  1. メールを送信すると、まず送信側のメールサーバーに届きます。
  2. そこからメール情報の中に記載されている、メールアドレス情報を確認します。
  3. 情報記載のDNSサーバー受信者情報を問い合わせて、メールサーバーを特定します。
  4. すると受信者のメールサーバーにメールが届きます。
  5. 最後に受信者のメールサーバーから、受信者側のメールソフト・アプリを通じて、受信者にメールが届けば配信完了です。

しかし、どこかのプロセスに不具合があると、メールは受信者まで到達しません。一般的にはMAILER-DAEMONやPostmaster、Mail Delivery Systemなどを送信元とするエラーメッセージが送信者に送付されて発覚します。

バウンスメールのパターン

バウンスメールは次の二つのパターンに分けられ、特にハードバウンスについては対策をしていく必要があります。

ソフトバウンス

一時的な要因で発生しているバウンスメールです。ただし、主にサーバーのいちじ復旧を待っていて問題のないケースと、すぐに解決できるが自分達で対応が必要なケースがあります。後者の場合は、一時的な要因だからといって放置しておいてはいけません。

ハードバウンス

恒久的な問題でメールが送信されない状態です。こちらは何らかのアクションを起こすことが必須。そのままではメールは絶対に受信者に届かないので、早めに解決を図る必要があるでしょう。

バウンスメールの放置リスク

メールの送信失敗をビジネス上重大に捉えるケースは少ないですが、頻繁にバウンスメールが発生する状況を放置しておくのは、ビジネス上次のようなリスクがあります。そのため、ソフトバウンスもハードバウンスも、早めの対処が肝心です。

相手の受信拒否

エラーとなるメールやスパム扱いのメールを繰り返し送信していると、相手のメールサーバーに疑わしいメールと認識されたり、最悪の場合は受信拒否の扱いになってしまったりします。

一度拒否扱いになってしまうと、サーバーが与えた属性を解除するのに手間と時間がかかりますので、受信拒否にまで至る事態は極力避けなければいけません。

情報伝達の遅延

届くべきメールが届かないと、受信側に必要な情報が共有されません。例えばイベントなどの招待メールの共有が遅れれば、相手が出欠を検討する時間が短くなってしまいます。

ビジネスに関係する資料伝達の場合は、相手が資料を確認する時間がなくなったり、会議に資料が間に合わなかったりといった事態に陥るリスクがあります。

情報伝達の遅延については、ソフトバウンスが起こるだけでも大きな影響が出るケースもありますので、早めの対処が必要です。

レピュテーションの悪化

たび重なるメールトラブルは、相手の印象を悪くしてしまうリスクがあります。スパムメールとなって情報が全く届かなくなる状況はもちろん、資料が重くて届かないなどの些細なトラブルでも、繰り返し発生すると、相手のことを考えない人であると受け取られるリスクがあります。

特に営業職など、関係構築が重要で、外部の関係者への連絡の多い仕事などでは注意が必要です。

レピュテーションリスクとは?意味や悪化原因リスク対策

原因と対策

バウンスメールの原因は、それがソフトバウンスなのか、ハードバウンスなのかによって異なります。それぞれの一般的な原因についてまとめました。

ソフトバウンスの原因

ソフトバウンスにおいて、考えられる原因は次の三つです。

  • メール本文の容量オーバー
  • 相手のメールボックスの容量オーバー
  • 一時的なサーバーダウン

まず、サーバーで送受信できるメールの容量には上限があり、これを超えるとエラー扱いになります。送信側、受信側それぞれで上限があるので、たとえ送信側の上限が問題なくとも、受信者が利用しているサーバーによってエラーになることがあります。

また、相手のメールボックスが既にいっぱいの場合は当然メールが届きません。最後に、送信側・受信側のどちらかのサーバーが一時的にダウンしている可能性も考えられます。

対策方法

自社のメールサーバーの容量についてはあらかじめ周知しておくことが大切。できれば相手のメールサーバー容量についても、特にコミュニケーションの多いお得意様などについては、大まかに把握しておくとスムーズです。

どうしてもわからない場合は、重いファイルは複数回に分けて送付するよう日頃から配慮すれば、ショートバウンスの発生を予防できるでしょう。

サーバーの一時的に不具合に対しては、利用者として解決する方法はありませんので、ひとまず相手には理由を説明して理解してもらうしかありません。サーバーダウンが頻発する場合は、サーバーを変更するなど、全社的な対応をとる必要があります。

ハードバウンスの原因

ハードバウンスが発生する原因は、主に次の3つです。

  • 宛先が消滅している
  • メールアドレスが誤っている
  • ドメインや内容などからスパム扱いにされている

意外に多いのは、相手の担当変更や退職により宛先自体がなくなっている場合。多数に一斉送信する際などには気付きにくいので注意しましょう。

また、そもそもメールアドレスが誤っている場合も。例えば口頭や手書きメモなどでメールアドレスを共有したときに、大文字・小文字、ハイフン・アンダーバーなどで誤認が発生するケースなどが考えられます。

最後に、内容やメールタイトル、もしくはドメイン名などでスパムと誤認されて、自動的にスパム扱いになっている場合もあります。

対策方法

まず第一にこまめなメールリストのアップデートが重要です。特にマーケティングや営業など、多くの宛先に一斉送信する機会の多い部署では、顧客・取引先などのメールリストのメンテナンスを怠らないようにしましょう。

また、メールアドレスについては、極力PC上でやりとりすると、細かい伝達ミスが減少します。どうしても会話・手書きで伝達せざるを得ないときは、復唱して確認する、また最初にテストメールを送るなど伝達ミスの発生リスクを念頭に、念入りに確認して相手のメールアドレスを利用し始めることが大切です。

相手のスパム入りを避けるためには、まずメールアドレスや文章をフォーマルなものにします。まずは、変に急対応を求める内容を強い表現をいれない、ビジネス的に相応しい文体で書く、冒頭に相手名、末尾に自社の署名が本文に入れるなど、ビジネスメールとして適切な形式を徹底してください。

そのうえで、ドメインでスパム入りしてしまう場合には、送信先に連絡してスパムリストから自社のドメインを外してもらうようにお願いしましょう。

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原因をふまえてこまめな対策を

送付先が多い部署ではどうしても発生してしまうバウンスメール。軽く考えていると、スパム解除に手間がかかったり、コミュニケーションを質を低下させてビジネスに支障が出たりといった弊害が考えられます。

ソフトバウンス・ハードバウンスそれぞれの原因を理解したうえで、こまめにメールリストをメンテナンスし、また社内でメール送付ルールや文面のマナーの共有を徹底するなどの適切な対策を取れば、バウンスメールによる影響を減らせるでしょう。