プロポーザル(proposal)とは、提案書・企画書を指す英語です。提案書などの書類をクライアントにプレゼンテーションすることをプロポーザルと呼ぶ場合もあります。
このプロポーザルという言葉は広くビジネスシーンで用いられていますが、プロポーザル方式とコンペ方式という2つの提案方式で文脈化されるケースが多くなっています。

プロポーザル方式とコンペ方式はどちらもクライアントに対して行う「提案」ですが、その評価方法が異なります。

プロポーザル方式
プロポーザルは製品やサービス、または事業など実施しようとするプロジェクトに対して、その実施方針や体制、過去実績などを含め、クライアントに提案を行います。
こうした「提案者」を評価する方法がプロポーザル方式と呼ばれます。

コンペ方式
コンペは製品やサービスなどを提供し、どのような解決を行うかの提案内容そのものを指し、それを評価する方法がコンペ方式です。
このようにプロポーザルでは、提案内容だけでなく、それを誰が提案しているか、誰が実行主体となっているかの「提案者」が重要視されます。

プレゼンテーション中のビジネスマン
PIXTA画像:プレゼンテーション中のビジネスマン

プロポーザル方式のメリットデメリット

プロポーザル方式のメリットは、優れた「提案者」とプロジェクトを進めることで、発注者側の要望を反映しやすく、また共同作業でプロジェクトの形成と進捗が可能になる点です。
ほかにも提案者選定までの時間やコスト、労力などの負担が少ないのも特徴です。

プロポーザル方式のデメリットとしては、提案そのものよりも提案者の実績なども加味されるため、実績がない企業は選ばれにくくなります。
また提案内容での選定とはならないため、選定方法の公平性や透明性の確保が難しい部分もある点に注意が必要です。

しかしながら、プロポーザル方式は公平性・透明性・客観性を担保しながら提案者の選定が可能な点、提案者のもつ技術面や経験などが盛り込まれた質の高い提案を集めやすい点で、いまの時代に適合した提案者の選定が可能な方式といえるでしょう。

広告業界の「プロポーザル」

通常ビジネスの過程では、広告主(クライアント)より状況説明(ブリーフィング)が行われ、それに対してプロポーザルが行われます。
プロポーザル方式は、設計・建築、デザイン、マーケティング、広告、教育などさまざまな業界や業務で活用されています。

広告業界では、優れた提案を募るためにプロポーザル方式で提案者(広告会社)を選定するケースが多くなっています。
提案書を作成して営業活動をするコンサルティング業や、提案書により広告主から注文を受ける広告会社は、プロポーザル自体が営業行為です。
広告主の要求に対して、過不足ない提案はできるかが重要視され、企画・提案の成否を決める分かれ道になります。

プロポーザルの書き方

プロポーザルの際に提出する企画書は、これを見ながら計画や業務の遂行がスムーズに行えるかという基準で、必要な情報を網羅する必要があります。
提案書には、目的と業務内容、実施項目の一覧、各項目の詳細、追加提案、スケジュール、実施体制と最後に提案元の会社概要の記載が必須です。
また冒頭部分で「はじめに」を書き、企画の目的を理解していることをアピールするための文章を添えておくと良いでしょう。

一般的にプロポーザルには審査項目や審査基準が設けられているので、自社が他社と比較したときにどんな違いがあり、何が優れている点を書いておくのを忘れてはなりません。審査基準がわかっているのであれば、その基準に合わせて強みを記載します。
一通り内容を書き終えたら、体裁が整っているかのチェックをし、読みやすくなっているかを確認しましょう。
選ばれるプロポーザルの書き方については、多くのテンプレートが有償・無償で発行されていますので、そちらも参考にしてください。

(このページは2014年に掲載した記事を2019年と2021年に加筆修正更新したものです)