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上澄み吸収価格(スキミングプライス)とは?高いから売れないを打破する高単価戦略

    
安売りの価格競争(赤い海)から抜け出し、スキミング戦略によって高付加価値のプレミアム市場(青い空の山頂)へ上昇していく自信に満ちたBtoB営業マンのイラスト。
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上澄み吸収価格(スキミングプライス)とは?高いから売れないを打破する高単...
▼ この記事の対象:自社の商品が高価格帯で「高い」と言われて断られることが多い、なぜこの価格設定なのかを論理的に説明できず、安易な値引きに逃げてしまうBtoB営業担当者

安売りの価格競争(赤い海)から抜け出し、スキミング戦略によって高付加価値のプレミアム市場(青い空の山頂)へ上昇していく自信に満ちたBtoB営業マンのイラスト。

「御社の商品は魅力的だけど、他社に比べてちょっと高いね」
「もう少し安くならない? 予算が合わなくて」

商談でこう言われた時、あなたは自信を持って切り返せていますか?
もし、「すみません、上司に値引きの相談をしてきます…」と弱気になっているなら、それは自社の「価格戦略」を知らないことが原因かもしれません。

世の中には、あえて価格を高く設定する「上澄み吸収価格(スキミングプライス)」という戦略が存在します。
この記事では、高価格設定の意図を理解し、それを逆手にとって顧客の信頼を勝ち取るための営業ロジックを解説します。

上澄み吸収価格(スキミングプライス)とは?

上澄み吸収価格(Skimming Pricing)とは、製品の発売初期にあえて高い価格を設定し、「高くても買う層(イノベーターやアーリーアダプター)」から利益を確実に回収する戦略のことです。

「スキミング(Skimming)」とは、液体の表面から「上澄み(一番美味しい部分)」をすくい取るという意味。
市場全体に薄く広く売るのではなく、まずは支払い能力が高く、新しい価値に敏感な優良顧客(上澄み)をターゲットにします。

対義語:市場浸透価格(ペネトレーションプライス)

スキミングの真逆を行くのがこの戦略です。

  • 戦略: 最初から採算度外視の低価格で販売する。
  • 目的: 一気にシェアを拡大し、市場を独占してから後で利益を回収する。
  • 例: PayPayなどのQR決済(初期還元)、格安SaaSツールなど。

営業マンとして重要なのは、「自社の商品はどちらの戦略をとっているのか?」を認識することです。
スキミング戦略(高価格・高付加価値)の商品を扱っているのに、ペネトレーション戦略(薄利多売・価格勝負)の売り方をしようとすれば、売れないのは当然です。

スキミング価格戦略の構造図解。左側は時間が経つにつれて高価格から徐々に下がる価格推移グラフ、右側はイノベーター層を狙い価格重視層を捨てるターゲットピラミッド図。

(左)発売初期に高価格で利益を確保し、徐々に価格を下げていきます。(右)狙うのは「高くても買う」最上層のみ。「安さ」を求める層はターゲットから外す勇気が必要です。

市場浸透価格(ペネトレーションプライス)とは

スキミングプライスが「高価格で利益を確保する」のに対し、市場浸透価格(ペネトレーションプライス)は、新製品の導入期にあえて採算度外視の「低価格」を設定する戦略です。

早期に市場シェア(マーケットシェア)を獲得し、競合他社の参入意欲を削ぐことを目的としています。「薄利多売」のモデルであり、PayPayなどのQRコード決済や、SaaSなどのサブスクリプションサービスが初期に行う「無料キャンペーン」や「格安プラン」もこの一種です。

ペネトレーション戦略のメリット

  • 急速なシェア拡大:
    安いことは最大の購入動機になります。一気に認知を広げ、多くのユーザーを囲い込めます。
  • 競合参入の阻止(参入障壁):
    利益が出にくい価格設定にすることで、後発企業が「この価格では戦えない」と参入を諦める効果があります。
  • 規模の経済(コストダウン):
    大量生産・大量販売が可能になるため、原材料費や物流費などの単価を下げ、結果的に利益体質へ転換できます。

デメリット・注意点

  • 初期の赤字リスク:
    損益分岐点を超えるまでは赤字が続くため、豊富な資金力が不可欠です。
  • 値上げの難易度が高い:
    一度「安いブランド」というイメージがつくと、後から適正価格に戻した際に顧客離れ(客離れ)を起こすリスクがあります。

【比較】スキミング vs ペネトレーション|どちらを選ぶべきか

自社の新商品がどちらの価格戦略に適しているか、以下の比較表で整理しましょう。

比較項目 スキミングプライス
(上澄み吸収価格)
ペネトレーションプライス
(市場浸透価格)
価格設定 初期は高価格
(徐々に下げる)
初期は低価格
(シェア確保後に利益化)
ターゲット イノベーター
アーリーアダプター
(富裕層・マニア)
マス層
(価格に敏感な一般層)
適した商品 独自性が高い製品
ブランド品
高級家電・Apple製品など
コモディティ商品
消耗品・日用品
PayPay・Amazonなど
目的 開発コストの早期回収 市場シェアの早期獲得

なぜ会社は「高い価格」をつけるのか?

経営陣やマーケティング部が、あえて高価格を設定するのには、明確な理由があります。
これを顧客に説明できるかどうかが、トップセールスへの分かれ道です。

開発コストの早期回収

画期的な新製品や高度なBtoBシステムには、膨大な研究開発費がかかっています。
後発企業にマネされる前に、先行者利益として開発コストを回収しなければ、次の革新的な機能開発ができません。

【営業トークへの応用】
「弊社は業界で最も研究開発に投資しているため、他社が追随できない最新機能をいち早く御社にご提供できます」

「価格=品質」というブランディング

BtoB取引において、安すぎる価格は逆に「不安」を与えます。
「こんなに安くて、セキュリティは大丈夫か?」「サポートはあるのか?」と疑われるのです。
高価格は、「品質への自信」「手厚いサポートの証」でもあります。

顧客の質の維持(フィルタリング)

実はこれが現場にとって最大のメリットです。
価格を高く設定することで、「価格だけで判断する(=クレームが多く、リピート率が低い)顧客」を入り口でふるい落とすことができます。
結果として、価値を理解してくれる優良顧客だけにリソースを集中でき、CS(顧客満足度)が向上します。

「高い!」と言われた時の切り返しロジック

では、現場で「高い」と言われたらどう返すべきか。スキミング戦略ならではの切り返しテクニックを紹介します。

「コスト」ではなく「投資対効果(ROI)」で語る

スキミング価格の商品は、導入コストは高くても、運用コストが下がったり、売上が上がったりする「効果」が高いのが特徴です。

❌ ダメな返し

「そうですよね、高いですよね…。上司に値引き確認します。」

⭕ 良い返し

「はい、初期費用は他社様より高いです。ですが、導入後の作業工数が50%削減できるため、半年で差額は回収でき、1年後には御社の利益になります。安物を買って現場が疲弊するより、結果的に安く済みますが、いかがでしょうか?」

「安売りしないこと」が御社のためであると伝える

無理な値引き要求には、勇気を持ってこう伝えましょう。

「これ以上お安くすることもできますが、その場合、弊社の強みである専任サポート体制を削らざるを得なくなります。
〇〇様には、導入後もしっかり成功していただきたいので、サービスの品質を落とすような値引きは、あえて致しません。

この一言が言える営業マンは、決裁者から「信頼できるプロ」として認識されます。

スキミング戦略で狙うべきターゲット

この戦略の弱点は、「買える客が限られる」ことです。
したがって、予算のない企業にいくら営業しても時間の無駄です。ターゲット選定(ターゲティング)を徹底しましょう。

  • イノベーター(革新者): とにかく最新技術を使いたい企業
  • 課題解決・時間短縮を優先する企業: 「金で時間を買う」発想ができる経営者
  • 業界トップ企業: ブランドイメージを重視する大手

逆に、「相見積もりで1円でも安いところを探している」ような企業は、最初からターゲットリストから外す(捨てる)勇気も必要です。

まとめ:価格は「自信」の表れである

「高いから売れない」のではありません。「高い理由を説明できていないから売れない」のです。
上澄み吸収価格(スキミングプライス)は、企業がその商品に絶対の自信を持っている証拠です。

  • 開発コストを回収し、次なる革新を生むため
  • 最高のサポート品質を維持するため
  • 本気で課題解決したい優良顧客と付き合うため

この背景を堂々と語り、「御社にはこれを使う価値がある」と背中を押せる営業マンを目指しましょう。

「価格」ではなく「価値」で選ぶ顧客を探そう

スキミング戦略(高価格帯)の商品を売るには、ターゲットの選定が9割です。
「安さ」ばかり求める企業に営業していませんか? 貴社の品質を正当に評価できる、業績好調な企業リストを作成しましょう。

スキミング価格戦略に関するよくある質問

Q. スキミング価格はずっと高いままなのですか?
A. 基本的には、競合他社が参入してくる(コモディティ化する)につれて、段階的に価格を下げていくのが一般的です。発売当初に高価格で「上澄み」の利益を得て、後半は価格を下げてシェアを取りに行くというライフサイクルを描きます。
Q. BtoBでスキミング価格が成功しやすい商材は?
A. 「特許技術を使っている」「代替品がない」「導入によって劇的なコスト削減が見込める」といった特徴を持つ商材が向いています。逆に、どこでも買える消耗品などは市場浸透価格(低価格戦略)になりがちです。

参考・出典

  • フィリップ・コトラー著『マーケティング・マネジメント』(価格戦略の基礎)
  • 日本商工会議所「リテールマーケティング(販売士)検定」公式テキスト
  • 公益社団法人 日本マーケティング協会(JMA)用語定義

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