市場浸透価格戦略とは、新製品を導入する際低価格に設定し、短期間でシェア拡大させる価格戦略のことをいいます。「市場浸透戦略」や「ペネトレーションプライス」とも呼ばれます。

低価格でシェアを拡大できれば、コスト面で競合企業より優位になり、長期的な利益を獲得することが可能です。
顧客の増加により市場のシェアが拡大し、製品の販売量も増加します。
販売量が増えることで生産コストを抑えることができ、市場占有率が拡大されるのです。

低価格のイメージが定着したことで、顧客の信頼を得やすくなり利益を見込めるようになります。
この段階で徐々に価格を上げていき、結果として利益増加が可能になるでしょう。

ベストプライス
Pixabay画像:ベストプライス最も良い価格
市場浸透価格を導入するには、以下の2つの条件を満たすことが必要です。

  1. 市場が低価格に反応しやすい
  2. 大量生産によってコスト優位性を見せることができる

市場浸透価格は、導入時に製品を低価格に設定しているので、活発な市場への参入が容易です。
低価格設定は、大多数の顧客の購買意欲を促すことができるので、初期段階から市場のシェアを拡大できます。
デメリットとしては、利益を得るのに時間がかかること、常に競合企業との価格競争に勝つ必要があること、低価格路線がブランドイメージを損なう可能性があることでしょう。

市場浸透価格の成功事例としては、パソコンメーカーの「DELL」があります。
チップを大量に仕入れ、直販システムによるコストカットによって低価格を実現し、パソコン市場で世界一になりました。

(このページは2014年に掲載した記事を2015年と2021年6月に加筆修正更新したものです)