ACジャパンとはADVERTISING COUNCIL JAPANの略で、「関西公共広告機構」(1971年設立)が前身の公益社団法人です。
公共広告機構から現在のACジャパンと名称を変えたのが2009年です。

ACジャパンは主たる事務所を東京都中央区に置き、札幌市中央区・仙台市青葉区・名古屋市中区・大阪市西区・広島市中区・福岡市中央区・那覇市と合わせ、全部で8つの事務局で構成されています。

公共広告放送の画像
Pixabay画像:公共の広告放送の画像

ACジャパンの運営

ACジャパンは正会員の民間企業、賛助会員、個人会員の協力で運営されており、活動に必要な資金はすべて会費で賄われています。
会費は正会員が一口12万円、賛助会員が1口6万円、個人会員が年6千円です。

ACジャパンではその活動を行うために委員会を構成し、この委員会の活動を支えるのは会員社の人員です。彼らの多くは企業の社会貢献活動の一環として、ボランティアとして参加しています。

ACジャパンの歴史

ACジャパンは1971年、大阪万博の翌年に大阪で関西公共広告機構として誕生しています。
誕生のきっかけは、当時のサントリー社長だった佐治敬三氏が、アメリカAC(Advertising Council)の活動に感化され、日本での実現を目指し、団体として発足したことに端を発します。

当時の国内において「環境汚染」「公共マナーの悪化」「人間関係の希薄化」といったことを問題視した佐治氏が、その実情の周知と問題の改善を国民に考えるきっかけを作ることが目的の一つにありました。
そうして「企業が少しずつお金を出し合い、世の中のためになるメッセージを、広告という形で発信しよう」という呼びかけのもと、一般企業、メディア、広告会社がそれに呼応し114の会員を集め、活動がスタートします。。

設立初年度の広告媒体費は1.7億円と小規模にとどまったものの、3年後の1974年に社団法人・公共広告機構として認可を受けて全国組織に発展。その後全国8か所に事務局を設置し、現在の体制が整えられました。
その後、2009年には名称をACジャパンと変更。2011年に公益社団法人の認可を受けています。
現在ではACジャパンの正会員数は1000社以上、賛助会員と個人会員を合わせると、設立当初から10倍以上の会員数となり、その規模は当時と比べるとかなり大きなものとなっています。

活動原理

ACジャパンは、民間企業や団体がその財産を少しずつ出し合い、社会に対して有益となるメッセージを広告で発信しする活動を行っています。

さまざまな問題や災害を目の当たりした社会を少しでも良くしていく。この基本的な理念がACジャパンの活動原理です。
それゆえ彼らの活動は広告を営利目的で使うのではなく、広告を通じて人々に考えるきっかけを与え、住みやすい市民社会の実現に貢献することにあります。

広告キャンペーン

ACジャパンでは設立からのべ500を超えるキャンペーンを展開し、毎年20種類以上の広告を制作。ご当地CMとして認知されている地方キャンペーンもあります。

定期的に行われるキャンペーンは、7月から翌年6月までを年度とし、決定されたテーマのもと、全国・地方それぞれ行われます。また臨時的に災害支援や海外の団体との国際共同キャンペーンなども並行して行われることがあります。

広告キャンペーンのテーマは、公共マナー、環境問題、社会問題、コミュニケーションなどの普遍的なテーマを扱う一方、世相を反映したものが採用されることが多く、近年では高齢化、携帯電話、医療などの問題を取り上げられました。

このほかにも「あしなが育成会」「骨髄移植推進財団」といった公共福祉活動を行う団体を支援するキャンペーンや、阪神淡路大震災、東日本大震災など災害発生時に臨時的にテレビCMなどを通じたキャンペーンを過去に行っています。

AC差し替えとはACジャパンの公共広告


(この記事は2014年に掲載した記事を2015年と2022年に加筆修正更新したものです)