作案とは、CM枠をどの時間帯に確保するのかを決める作業のことです。
CMには、個別の番組を提供しその番組に含まれるCM枠内で広告を放送するタイムCMと、番組とは関係せずに指定の時間に広告を放送するスポットCMがあります。

スポットCMの場合はCMをどの番組中に流すのかを決める必要があり、これが作案です。
作案では、まず放送局側の作案担当者から割り付けの原案が提示されます。
それに対し、広告主の要望をくみ取り、両者の調整を執り行うのが広告代理店の役割です。

まとまった本数のスポットCMを出稿する場合は、割り付けのパターンがいくつか用意されています。
パターンごとにターゲットが異なり、広告単価にも違いがあるため、最も効果的なパターンを広告主に提示し、放送局側と調整することが重要です。

ABC3つの案を検討中
Pixabay画像:ABC3つの案を検討中

CMの割り付けパターン

全日型

1日中にまんべんなく放送する型で基本パターン
比較的安価である一方、月曜~日曜日の5時~29時の間のどの枠に流れるのかは放送局都合で決まります。ターゲットはオールターゲットまたは専業主婦です。

逆L型

平日のプライムタイム(19:00〜23:00)と、土日の1日中放送する型
最も在宅率が高い時間帯に放送するため、全世代をターゲットとすることが可能です。
効率よくCM効果が得られる時間帯とされ、高視聴率を期待できます。一方で、料金は高単価です。
また、以前は逆L型が最も理想的なCMの打ち方だと言われていましたが、ビデオ録画の普及によってCMが飛ばされる、You Tube による若年層のテレビ離れなどによって、最近は費用対効果が疑問視されています。

コの字型

逆L字型に平日の朝帯(6:00〜9:00)を加えた型
ターゲットはビジネスマンです。朝の時間帯は、用意をしながら時計替わりにテレビをつけている人が多く、ビデオ録画が少ないのでCMが飛ばされずに視聴されている可能性が高いです。

ヨの字型

コの字型に平日の昼帯(12:00〜14:00)を加えた型
ターゲットは、働く世代の男女および主婦です。特に、昼帯で放送することによる主婦への伝達力が期待されます。

深夜型

深夜を中心にした型
ターゲットは大学生や働く若い人です。以前は深夜帯にテレビを観ている人が少なく不人気でしたが、フレックスや在宅勤務などの働き方の多様化に伴い、注目されています。

(このページは2014年に掲載した記事を2015年と2022年に加筆修正更新したものです)