マーケティング7P分析とは、アメリカの経済学者ジェローム・マッカーシーが提唱した4P分析に、3Pを加えたマーケティングのフレームワークです。
アメリカの経営学者であるフィリップ・コトラーが「マーケティング・マインドの追究」で提唱しました。

「4P分析」では、以下4つの「P」がマーケティングの基礎であると認識されています。

  • Product(製品)
  • Price(価格)
  • Promotion(販売)
  • Place(流通)

4P分析は、形ある物が中心だった時代に提唱され、「物を売るため」という視点の考え方でした。
1970年代に入り産業の発達とともに「サービス業」が登場し、形のない「サービス」が商品としての価値を持ち、4P分析だけでは不足するようになったのです。

コトラーは従来の4Pに以下3つのPを加え、「7P分析」を提唱しました。

  • People(人)
  • Process(サービスプロセス)
  • Physical Evidence(物理的環境)
マーケティングストラテジー
Pixabay画像:マーケティングストラテジー

コトラーが定義したマーケティング7P分析では

無形の商品やサービスの以下の特性にも考慮しています。

  • 無形性(intangibility)
  • サービスは物と違い、形のない資産です。
    例えばUberでは写真や文章を使うことで、移動距離や使用頻度などのデータを可視化できます。

  • 同時性(simultaneity)
  • 生産と消費が同時に起こる、サービスの性質です。
    ホテルやテーマパークでは、営業時間外にサービスの提供を行いません。

  • 消滅性(perishability)
  • サービスは貯めることができず、提供すると消滅してしまいます。
    ホテルは夏休みなど大型連休では満員になりますが、時期が外れると空き室が出る例です。

  • 変動制(heterogeneity)
  • サービスは提供者や時期によって、品質が変更する性質があります。
    スポーツ教室などでは指導するスタッフや顧客によって、同じ価値を提供できるわけではありません。

    コトラーは目には見えない「サービス」

    が顧客の購買意欲に影響を与えることを提唱しました。

    ディズニーリゾートは「マーケティング7P分析」を活用し、成功しています。
    「キャスト」により顧客が満足する高いレベルの接客を提供し、「ファンタジー」の世界へ誘うプロモーションによって、顧客のリピート率を上げることに成功しました。

    (このページは2014年に掲載した記事を2015年と2021年6月に加筆修正更新したものです)