4Pとは1960年代にジェローム・マッカーシーが定義したマーケティング活動の概念です。
4Pはマーケティング戦略の立案から実行までの流れに組み込まれており、その中の検討材料という位置づけです。

下記4つの単語の頭文字をとって4Pと呼びます。

  1. Product (プロダクト) :製品
  2. Price (プライス) :価格
  3. Place (プレイス) :流通
  4. Promotion (プロモーション) :販売促進

マーケティング分析手法の一つに4C分析がありますが、こちらは顧客目線に立ってそれぞれの要素を分析し、マーケティング活動に生かしていく手法です。
4P分析との視点の違いを理解しておく必要があります。

ネットマーケティングの用語の画像
Pixabay画像:マーケティングの用語の画像

4Pの概要と考え方

4Pの概要と4P分析で行うべき項目は以下の通りです。

Product<商品やサービス>
商品・サービスそのものについてコンセプトを設定し、品質やデザイン、商品の付加価値などを含めて考える。

Price<価格>
商材の開発費用などのコストに見合い、利益を生み出す価格を設定する。

Place<流通>
自社のリソースをふまえた最適な販売経路、販売する場所を設定する。

Promotion<プロモーション>
自社が実行可能な手段、得意とする手法をふまえ、購買を促すためのプロモーション方法を検討する。

4P分析は商品のサプライヤーとしてそれぞれの要素を分析し、利益向上を目指すための手法である点を意識して進めていく必要があるといえます。

4P分析の活用

4P分析を活用していくためには、それぞれの要素で考察すべきテーマ、持つべき視点などを把握しておかなければなりません。

Product

自社の強み、活用できるリソースが何かを分析することが必要になってきます。
そしてターゲット層のニーズ、ウオンツを満たすプロダクトを開発するために、商品の種類、ラインナップ、新商品のリリース頻度、ターゲット属性など、製品を軸に売り出していくかを考えていきます。
プロダクトのターゲットが誰なのかを明確にしておかないと、商品設計がブレてしまうので、そのあたりは注意したいところです。

Price

利益をどの程度確保するか、価格をいくらに設定したらどれくらいの需要がありそうか、競合の価格はいくらに設定されているか、まずはこの3点を考慮しなければなりません。
そのうえで、自社コストにかんがみた価格設定や競合の価格を把握し、商品価格を決定します。
セット販売や割引販売、その他価格のカスタマイズなど、自社が行える施策も含めてプランニングする必要があるでしょう。

Place

取引先を限定せずに流通させて販売量を重視するか、反対に取引先を限定して販売管理をしやすくするか、あるいは代理店などを決めて限定的に流通させるか。
販売チャネルの選択は、商品の販売量や販売エリア、販売管理方法、商品自体の特徴、自社の販売能力、流通コストによって変わってきます。
自社のリソースをベースに、獲得利益が高まる方法や流通経路など、取りうる戦略を決めるために十分な検討が必要です。

Promotion

自社の強み、商品の特長、ターゲットへの効果的な訴求を意識したプロモーション方法を検討します。
いつ、どんなタイミングで、どの場所に、どれくらいプロモーションコストをかけるべきか、目途を立てます。
ブランド価値の向上を目的としたプロモーションや、顧客のライフタイムバリューを計算して検討する場合もあるでしょう。
顧客のどんな課題を解決するのかが伝わりやすく、そしてターゲットに最も届きやすいプロモーション方法を選ぶべきです。

4P分析の注意点

4P分析は4つのPで始まるすべての要素を分析し、マーケティングで活用していく方法です。

4Pに含まれるそれぞれの要素は多岐にわたり、精度の高い分析を行うためには整合性の担保が求められます。それぞれを別々の部署で管理・分析している場合は、認識の齟齬や矛盾点をなくすための情報共有を行う必要があるでしょう。

またターゲットとなる顧客に対してアンケート調査などを使い意見を集め、自社が行う施策の効果が高まるように下地を作っておかなければなりません。

(このページは2014年に掲載した記事を2015年と2021年に加筆修正更新したものです)