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セグメンテーションとは?顧客を分類し成約率を高める4つの切り口と実践手順

    
BtoBマーケティングにおけるセグメンテーション(市場細分化)のイメージ図。多数の企業の中からターゲットとなる特定の企業群を抽出・選定している様子
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セグメンテーションとは?顧客を分類し成約率を高める4つの切り口と実践手順

「良い商品なのに、なぜか売れない」とお悩みではありませんか?
その原因は、商品の質ではなく、商品を必要としていない相手にまでアプローチしてしまっている「ミスマッチ」にあるかもしれません。

マーケティングの基本である「セグメンテーション(市場細分化)」を正しく理解し、市場を適切に切り分けることができれば、最小のコストで最大の成果を上げることが可能になります。

本記事では、BtoB営業におけるセグメンテーションの定義から、代表的な4つの分類変数(切り口)、そして実際のメールマーケティングへの活用法までをわかりやすく解説します。

BtoBマーケティングにおけるセグメンテーション(市場細分化)のイメージ図。多数の企業の中からターゲットとなる特定の企業群を抽出・選定している様子

セグメンテーション(市場細分化)がなぜ必要なのか

ビジネスにおいて、すべての顧客を満足させることは不可能です。万人に受け入れられようとすれば、誰にとっても「中途半端な商品」になってしまいます。
そこで、自社の商品を最も高く評価してくれる集団を見つけ出す作業が必要になります。

STP分析の最初のステップ

セグメンテーションは、フィリップ・コトラーが提唱したマーケティングのフレームワーク「STP分析」の最初の段階にあたります。

  • Segmentation(セグメンテーション):市場を分ける
  • Targeting(ターゲティング):狙う市場を決める
  • Positioning(ポジショニング):自社の立ち位置を決める

この土台となる「分類」が間違っていると、その後の戦略がすべて狂ってしまうため、非常に重要な工程です。

なぜ今、細分化が求められるのか

かつての大量生産・大量消費の時代とは異なり、現代は顧客のニーズが多様化しています。
また、DX(デジタルトランスフォーメーション)の進展により、顧客の属性データや行動データを詳細に取得できるようになったため、「勘」ではなく「データ」に基づいた緻密な分類が可能になりました。

ターゲティングとの違い

よく混同される言葉ですが、明確な違いがあります。

  • セグメンテーション:市場を共通のニーズを持つグループに「分ける」こと。(全体像の把握)
  • ターゲティング:分けたグループの中から、自社が攻めるべき市場を「絞る」こと。(標的の決定)

まず「分けて」から「選ぶ」。この順序を守ることが鉄則です。

BtoBマーケティングにおける「4つの分類変数」

では、具体的にどのような基準で市場を分ければよいのでしょうか。
マーケティングでは、代表的な4つの変数(切り口)が用いられます。BtoB(対企業)の場合、BtoC(対個人)とは少し視点が異なる点に注意が必要です。

変数名 BtoBでの主な分類項目
①地理的変数
(ジオグラフィック)
所在地、地方、気候、都市規模、再開発エリアなど
②人口動態変数
(デモグラフィック)
【企業属性】
業種、資本金、売上規模、従業員数、設立年数
③心理的変数
(サイコグラフィック)
経営理念、社風、組織課題、決裁フロー、ITリテラシー
④行動変数
(ビヘイビアル)
購入頻度、導入時期、Web閲覧履歴、展示会来場歴

地理的変数(ジオグラフィック変数)

地理的な要因で分類する方法です。気候や文化、都市の規模などが含まれます。
BtoB営業においては、「自社の営業所から訪問可能なエリアか」「寒冷地特有のニーズがあるか(除雪機材など)」といった基準で活用されます。

人口動態変数(デモグラフィック/ファーモグラフィック変数)

BtoCでは「年齢・性別」などを指しますが、BtoBでは「企業属性(ファーモグラフィック)」と呼ばれ、最も基礎的かつ重要なデータです。

特に「業種」と「規模」は必須です。従業員数10名の会社と1000名の会社では、抱えている課題も決済権を持つ役職も全く異なるからです。

心理的変数(サイコグラフィック変数)

企業の「性格」や「価値観」による分類です。
「コスト削減を最優先する保守的な企業」なのか、「新しい技術への投資を惜しまない革新的な企業」なのかによって、刺さる提案内容は180度変わります。
定量化(数値化)しにくい要素ですが、Webサイトの文言や社長のメッセージなどから推測することが可能です。

行動変数(ビヘイビアル変数)

顧客の過去の行動パターンに基づく分類です。
「過去に資料請求をしたことがある」「定期的に消耗品を購入している」「料金ページを何度も見ている」などの行動は、ニーズの強さを表すシグナルです。
MA(マーケティングオートメーション)ツールなどを使って追跡することが一般的です。

成果が出るセグメントの有効性を測る「6Rの原則」

分類したセグメントが、ビジネスとして魅力的かどうかを判断するために「6R」という指標を使います。

  • Rank(優先順位):自社の強みが生かせる重要度が高い層か。
  • Realistic(規模の有効性):売上が立つだけの十分な市場規模(社数)があるか。
  • Reach(到達可能性):その層に物理的にアプローチ(メールや配送・訪問)ができるか。
  • Response(測定可能性):施策の反応や効果を測定できるか。
  • Rival(競合状況):競合他社が強すぎないか。
  • Rate of Growth(成長性):その市場は今後伸びていくか。

メールマーケティング・営業での具体的活用シーン

セグメンテーションができれば、具体的な営業アクションが変わります。

件名(Subject)の最適化

「全業種の皆様へ」というメールは誰にも読まれません。
セグメントに合わせて、「建設業の皆様へ」「従業員50名以上の人事担当者様へ」と件名を変えるだけで、自分事として捉えてもらえる確率(開封率)が格段に上がります。

コンテンツの出し分け(LPO)

相手の立場(役職)によって、メリットを感じるポイントは違います。

  • 経営者(社長)向け:「売上アップ」「コスト削減」「経営リスク回避」を訴求。
  • 現場担当者向け:「業務効率化」「残業削減」「使いやすさ」を訴求。

同じ商品でも、セグメントごとに訴求ポイント(切り口)を変えてアプローチすることが、成約率アップの鍵です。

まとめ:適切な分類が、営業効率を最大化する

セグメンテーションとは、単なるデータの整理ではありません。顧客の「顔」を具体的にイメージし、相手に寄り添った提案をするための準備作業です。
「誰にでも売れるもの」を作ろうとするのではなく、「あなたにこそ使ってほしい」と言える相手を見つけることから始めましょう。

まずは手持ちの顧客リストを、今回ご紹介した「4つの変数」で分類・分析してみてはいかがでしょうか。

▼当社のリスト活用について
当社では400業種以上に細分化された最新の法人データベースを保有しており、貴社の狙いたいセグメントに合わせたリスト抽出が可能です。リスト作成や配信代行のご相談もお気軽にどうぞ。

セグメンテーションに関するよくある質問

Q. セグメンテーションとターゲティングの違いは何ですか?

セグメンテーションは市場を「分けること(分類)」であり、ターゲティングはその分けたグループの中から狙うべき相手を「絞ること(選定)」です。必ず「分類」→「選定」の順序で行います。

Q. BtoBとBtoCでセグメンテーションの手法は違いますか?

基本的な考え方は同じですが、用いる変数(切り口)が異なります。特に「人口動態変数」において、BtoBでは年齢や性別ではなく、業種・資本金・従業員数といった「企業属性(ファーモグラフィック)」を重視します。

Q. セグメントは細かければ細かいほど良いのですか?

いいえ、細かすぎると対象顧客がいなくなり、ビジネスとして成立しなくなる恐れがあります(6RのRealistic)。「自社のリソースで対応可能」かつ「十分な利益が見込める規模」のバランスを見極めることが重要です。

本記事の執筆にあたり参照した文献・公的情報

(2014年に掲載した記事を15年25年に加筆修正更新したページです)

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