IRとはインベスター・リレーションズ (investor relations) の略語です。株主や投資家に資金調達のための情報を広告の形で提供することをIR広告といいます。
ニュースレターやパンフレッドなどを使い、年次報告や企業情報といった投資家の望む情報を企業が提供することです。

IR広告によって、経営状態や財務状況、業務の実績や今後の見通しを株主や投資家は知ることができます。PRも同じく広報を意味する言葉ですが、IRとは広報活動における目的が違います。

  • PR:一般の人々に商品を買いたいと思わせる
  • IR:株主・投資家に収益の上がる株として自社の情報を提供する

と広報活動の目的とする対象が異なるのです。投資家にとって企業との対話であるIR広告は、より詳細な情報を得られるものとなります。重要性を理解している企業が行う活動がIR広告なのです。

株主、投資家のPCスマホ画面
Pixabay画像:株主、投資家のPCスマホ画面
決算説明会や各種説明会の開催やディスクロージャー資料の送付などが、IR活動の具体例となります。自社の工場や施設見学など魅力を知ってもらう取り組みなどを熱心な企業はしており、投資家に好評です。工夫を凝らしてIR広告を打つ企業は、投資家に良い印象を与えます。企業イメージを上げられるIR広告は必要なものだといえるでしょう。

IR広告が積極的に取り組まれるようになったのは、1990年代後半です。投資家の判断を分析するために、IR部門を有する企業も増えています。その反面、自社のみで行うIR広告は大変だという事実も見え始めました。

実際に、前年度の実績をそのまま利用した決算説明会の資料を使う企業は多く見られます。企業の事業環境は刻一刻と変化するものです。常に新しい情報を投資家に提供することが正しいIR広告です。世の中の移り変わりが十年一昔というのは過去の話と考えてください。

自社の実力を株価に反映させること、それがIR広告の目的です。IR広告の質を上げることは、好感度や知名度の向上となります。株価は市場が決めるものだという考えにだけに囚われない姿勢を常に意識すべきです。

投資家の求めるものを理解することはIR広告の質を上げます。投資家の関心事は「収益をあげること」です。
IRコンサルティング会社へのサポートの依頼は、投資家へのサービス向上の一環と考えられます。

投資家の判断や見方を分析した結果を提言するためにも、専門家の判断を仰ぐことは有意義なことだといえるでしょう。少人数のIR部門を有することも大切な行動ですが、IRコンサルティング会社にサポートを依頼することも選択肢の一つとして考えるべきです。投資家に自社株を理解してもらう良い判断につながります。

(このページは2006年に掲載した記事を2015年と2021年に加筆修正更新したものです)