【BtoB】そのまま使える!反応が取れる営業メール例文・テンプレート集【新規開拓・追客・掘り起こし】
「一生懸命メールを書いたのに、全く返信が来ない…」「どんな文章なら、決裁者にアポイントが取れるのだろう?」
BtoBの営業メールにおいて、ゼロから文章を考えるのは非常に時間がかかり、効率が悪いです。また、我流で書いた文章は、知らず知らずのうちに相手に「売り込み」と警戒され、ゴミ箱行きになっている可能性があります。
成果を出し続けている企業は、検証に検証を重ねた「勝てる型(テンプレート)」を持っています。
本記事では、新規開拓から追客(掘り起こし)、さらにはFAXや問い合わせフォーム営業にも応用できる、実践的なテンプレートと、それを自社流にアレンジして成果を出すためのテクニックを解説します。

なぜあなたのメールは読まれないのか?「売れる構成」4つのパーツ

読まれるメールに共通する「4つの構成要素」
具体的なテンプレートを見る前に、まず「なぜその文章だと反応が取れるのか」という基本構造を理解しましょう。反応率が高い営業メールは、例外なく以下の4つのパーツで構成されています。
1. 件名(Subject):開封の鍵
メール営業において最大の壁は「開封」です。どんなに素晴らしい本文を書いても、件名で興味を持たれなければ、中身が読まれることは永遠にありません。
「〇〇のご案内」といった退屈な件名ではなく、相手にとってのメリットや具体性が一目でわかる件名にする必要があります。
2. 導入(Hook):0.5秒のつかみ
開封直後の「書き出し」です。
「突然のご連絡失礼いたします。株式会社〇〇の〜」という定型文は、相手に「また営業メールか」と思わせるトリガーになってしまいます。
「貴社の〇〇事業のプレスリリースを拝見し、ご連絡いたしました」など、「あなた(御社)宛てに書いている」という個別性(パーソナライズ)を見せることが重要です。
3. 本文(Body):メリットの提示
ここでは、自社商品の機能(Features)を説明するのではなく、相手が得られる利益(Benefits)を語ります。
「当社のツールは機能が豊富です」ではなく、「御社の残業時間を月20時間削減できます」と伝えるのが鉄則です。
4. 結び(Call to Action):行動の指定
最後に相手にどうして欲しいかを明確にします。
「ご検討ください」という曖昧な結びでは、相手は何もしません。
- 「来週、15分ほどWebで情報交換できませんか?」
- 「事例資料をお送りしてもよろしいでしょうか?」
このように、Yes/Noで答えられる具体的なアクションを提示しましょう。
【新規開拓】アポイント獲得率を高める例文パターン
| 送る目的 | おすすめパターン | 得られる効果 |
|---|---|---|
| まずは認知を広げたい | パターンA:課題解決型 | 悩みを指摘することで、返信率が高まる |
| 信頼性をアピールしたい | パターンB:事例紹介型 | 同業他社の実績で、警戒心を解く |
| 接点(リード)を作りたい | パターンC:モニター依頼型 | 心理的ハードルを下げて、接触を増やす |
それでは、実際に使えるテンプレートをご紹介します。【 】の部分を自社の内容に書き換えてご使用ください。
パターンA:課題解決型(ストレート)
相手の業界が抱えている一般的な課題(人手不足、コスト高など)を指摘し、解決策を提示する王道パターンです。
件名:【貴社事業】〇〇業務のコストを20%削減する手法について
本文:
株式会社〇〇
代表取締役社長 〇〇様
(または ご担当者様)
突然のご連絡にて失礼いたします。
株式会社〇〇の(自分の名前)と申します。
現在、〇〇業界の企業様では、
「原材料高騰による利益率の低下」や「採用難による人手不足」
といった課題をお持ちのケースが増えておりますが、貴社におかれましてはいかがでしょうか。
弊社は、〇〇(商品名)を通じて、これらの課題を解決し、
平均して【具体的な成果数値】を実現する支援を行っております。
もしよろしければ、貴社と同規模の企業様での導入事例をご紹介させていただきたく存じます。
来週、【日付1】か【日付2】のご都合のよいお時間に、
15分ほどオンラインで情報交換のお時間をいただけないでしょうか。
ご多忙の折とは存じますが、ご検討いただけますと幸いです。
————————————————–
署名
————————————————–
パターンB:事例紹介型(社会的証明)
「同業他社も使っている」という事実は、BtoBにおいて強力な安心材料(社会的証明)になります。
件名:【事例共有】同業他社様(〇〇社様など)での〇〇改善事例のご案内
本文:
(宛名省略)
拝啓
貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
本日は、貴社と同じ【ターゲットの業種】業界において、
半年で売上を1.5倍に伸ばされた事例をご紹介したくご連絡いたしました。
多くの企業様が「〇〇」という課題に直面されていますが、
ある手法を取り入れることで、短期間で劇的な改善に成功されています。
この度、そのノウハウをまとめた「事例集(PDF)」をご用意いたしました。
もしご興味がございましたら、本メールへの返信にて「資料希望」と一言お送りいただけますでしょうか。
すぐにPDFを送付させていただきます。
突然の恐縮ではございますが、貴社の事業発展の一助となれば幸いです。
(署名)
このパターンの肝は「同業他社の事例」を出すことです。
そのためには、事前に送る相手の業種を絞り込む「リスト作成」が不可欠です。
パターンC:モニター・アンケート依頼型(ドアノック)
いきなり売り込むのではなく、「意見を聞かせてほしい」「無料モニターをお願いしたい」という低いハードルで接点を持つ手法です。
件名:【無料モニター募集】新サービス〇〇に関するご協力のお願い
本文:
(宛名省略)
(自己紹介省略)
この度、弊社では【業界名】様に向けた新機能〇〇をリリースいたしました。
つきましては、現場のプロフェッショナルである貴社のご意見を頂戴したく、
期間限定で「無料モニター」としてご利用いただける企業様を募集しております。
正規料金【金額】円のところ、今回は費用は一切いただきません。
使用感についての簡単なアンケートにお答えいただくだけで結構です。
ご興味をお持ちいただけましたら、下記URLより詳細をご確認いただけますでしょうか。
【URLリンク】
何卒よろしくお願い申し上げます。
(署名)
【追客・掘り起こし】無視・保留をチャンスに変える例文
一度メールを送って返信がないからといって、諦める必要はありません。
タイミングが合わなかっただけの顧客に対し、適切な「再アプローチ」を行うことで、アポ率は大きく向上します。
返信がない時の「再送」テクニック
「先日のメールは届いていますでしょうか?」と催促するのはNGです。相手に罪悪感や不快感を与えてしまいます。
別の有益な情報を添えて、あくまで「ついで」を装って再送するのがスマートです。
件名:【補足】先日の〇〇に関する追加資料につきまして
本文:
(宛名省略)
先日ご案内いたしました〇〇(サービス名)につきまして、
説明不足な点がございましたので、補足資料をお送りいたします。
特に、貴社のような【業種】様において、
導入後1ヶ月で効果が出ている最新のデータをまとめました。
【資料ダウンロードURL】
お手すきの際にご覧いただけますと幸いです。
ご不明な点がございましたら、お気軽にお申し付けください。
(署名)
失注・休眠客の「掘り起こし」メール
半年〜1年前に接点があったものの、成約に至らなかった顧客へのアプローチです。
法改正や新年度、決算期などの「環境の変化」をきっかけにするのが有効です。
件名:【重要】〇月の法改正に伴う業務対応について
本文:
(宛名省略)
以前は大変お世話になりました。
株式会社〇〇の(名前)です。
その後の状況はいかがでしょうか。
実は、来月施行される「〇〇法改正」に伴い、
多くの企業様でシステムの見直しが急務となっております。
以前ご検討いただいた際はタイミングが合いませんでしたが、
今回の改正に対応した新プランであれば、貴社のお役に立てるのではないかと考え、ご連絡いたしました。
もし現状で課題がございましたら、改めて一度お話しできませんでしょうか。
ご返信をお待ちしております。
(署名)
休眠客へのアプローチは、相手の状態(失注理由や時期)によって内容を変える「セグメンテーション」を行うと、さらに効果的です。
メール以外の媒体(FAX・フォーム営業)での書き換え術
ここまでメールのテンプレートを紹介してきましたが、媒体が変われば「作法」も変わります。
メールの文面をそのままFAXや問い合わせフォームに流用しても、効果は薄いでしょう。
FAX DM用の書き換えポイント
FAX DMの場合、時候の挨拶や丁寧な自己紹介は不要です。
A4用紙という限られたスペースで、一瞬で「自分に関係がある」と思わせる必要があります。
- ヘッダー(上部):一番大きな文字でキャッチコピーを配置。「〇〇業の社長様へ」と呼びかける。
- オファー(提案):「今だけ無料」「先着〇社」といった特典を目立たせる。
- 返信欄:手書きでチェックを入れてそのままFAXで送り返せる枠を作る。
問い合わせフォーム営業用の書き換えポイント
企業のWebサイトにある「問い合わせフォーム」からの営業は、開封率が非常に高い反面、クレームになりやすいリスクもあります。
- 冒頭で謝罪と断りを入れる:「本来はお客様用のお問い合わせ窓口であることは重々承知しておりますが〜」とワンクッション置く。
- 担当者へのメリットを強調:Web担当者が、決裁者に転送したくなるような「情報の有益性」をアピールする。
テンプレートを「育てる」ための運用のコツ
最後に、テンプレートを活用して成果を出し続けるための運用のコツをお伝えします。
コピペして終わりではない
テンプレートはあくまで「土台」です。
そのまま使うだけでなく、季節や相手の業界ニュース、自社のキャンペーンに合わせて微調整を加えてください。
A/Bテストで勝ちパターンを見つける
「パターンA(課題解決型)」と「パターンB(事例型)」の2つを用意し、同じリストに対して半々で送ってみましょう。
どちらのアポ率が高かったかを記録し、反応が良かった方を残していくことで、自社だけの最強テンプレートが完成します。
マルチチャネルで攻める
メールを送っても反応がない相手にはFAXを送る、あるいは電話をかけるなど、手段を組み合わせることで取りこぼしを防げます。
これを「マルチチャネル戦略」と呼びます。
まとめ:型を守り、型を破る
コピーライティングの世界には「守破離(しゅはり)」という考え方があります。
まずは今回ご紹介した「型(テンプレート)」をそのまま使い(守)、反応を見ながら徐々にアレンジを加え(破)、最終的には自社独自の勝ちパターン(離)を確立してください。
テンプレートを活用して文章作成の時間を短縮できれば、浮いた時間で「顧客リストの分析」や「商談の準備」など、より本質的な営業活動に注力できるはずです。
▼テンプレートが活きる「良質なリスト」をお探しですか?
どんなに良いメール文面でも、送る相手(リスト)が間違っていれば効果は出ません。
当社では400業種以上に細分化された最新の法人名簿を提供しています。
営業メールの書き方に関するよくある質問
Q. メールの最適な文字数はどのくらいですか?
1スクロールで読める「300〜500文字程度」が目安です。スマホで読む人も増えているため、改行を多めに入れ、塊(パラグラフ)ごとに空白行を入れると読みやすくなります。
Q. 添付ファイル(PDF)はいきなり送っても大丈夫ですか?
初回メールでのファイル添付は避けたほうが無難です。セキュリティフィルターに引っかかり、迷惑メール判定されるリスクが高まります。URLリンク形式にするか、返信をくれた相手に送るフローを推奨します。
Q. メールを送るのに最適な時間帯はありますか?
一般的にBtoBでは、火曜日〜木曜日の「午前中(9:00〜11:00)」または「夕方(16:00〜17:00)」が開封されやすいと言われています。月曜日の午前中や金曜日の夕方は避けられる傾向にあります。
本記事の執筆にあたり参照した文献・情報ソース
- 一般財団法人日本データ通信協会:特定電子メールの送信等に関するガイドライン
- Sansan株式会社:営業メールの書き方とアポイント獲得率向上の手法に関する調査レポート
- 株式会社才流:BtoBマーケティングにおける新規開拓メールの設計・運用メソッド
Comment