リーセンシー (recency) 効果とは、直前に見た広告がその後の購入行動に与える影響のことで、「背中の一押し」効果を期待しての広告戦略として使われている。
たとえばサイトを閲覧しているときは、隅に表示されている広告も目に入るもの。
たとえその広告を意識していなかったとしても、目に入った内容が興味のあるものだった場合、購入意欲の高まる効果があるのです。

また効果という言葉をつけず、単に「リーセンシー」といった場合は、広告と顧客見込み客の接触時間という意味になります。
顧客見込み客が広告を目にしてから、どれくらいの時間が経っているかということです。

もちろんこの時間が短いほどリーセンシー効果が高いということになります。とはいえ広告への接触から購入までの時間がいつまでであればリーセンシー効果といえるのか、という明確な定義はありません。
ちなみにrecencyを直訳すると、「あまり以前でないときに起こった、あるいは現われた」「現在より少し前の時間」という意味になります。

赤い砂の砂時計
Pixabay画像:赤い砂の砂時計
リーセンシーとフリークエンシー
リーセンシーと混乱しやすい言葉に、フリークエンシーがあります。
フリークエンシーとは、広告との接触頻度のこと。
同じ広告が何度も表示されると、商品サービスの認知度は上がりますが印象は悪くなりがちです。

その場合それに伴って、リーセンシー効果も薄くなってしまいかねません。
それを避けるために、1人の顧客見込み客に対する広告の表示頻度を下げることをフリークエンシーコントロールといい、一定回数以上は表示されないようにすることをフリークエンシーキャップといいます。

マーケティングにおいてフリークエンシーをじょうずに活用することは、リーセンシー効果を高めるためにも非常に重要です。
リーセンシー効果は広告媒体を選ばず、どんなメディアでも得られるものです。

また、顧客見込み客の環境やモチベーションは時間の経過によって変化するものなので、広告閲覧後すぐの効果がないからといって諦めることはありません。
後日、受容性によるリーセンシー効果が得られる可能性は充分あるのです。

(このページは2014年に掲載した記事を2017年と2021年7月に加筆修正更新したものです)