LTV(Life Time Value)とは?顧客生涯価値の計算式とBtoBでの最大化戦略
LTV(Life Time Value)とは、「一人の顧客が、取引開始から終了までの期間にもたらす利益の総額」を示す指標であり、「顧客生涯価値」と訳されます。
短期的な売上だけでなく、長期的な企業価値を判断する上で最も重要な指標です。L特にBtoBのサブスクリプションモデルや継続取引が基本のビジネスでは、LTVの把握が生命線となります。
LTVの定義と計算式
LTVとは:顧客との長期的な関係の価値
LTVは、「顧客との関係が続く期間中、その顧客が生み出す純利益はいくらか?」を問うものです。
初回取引の利益がゼロでも、LTVが高ければその顧客獲得コスト(CPO)は正当化されます。
▼ LTV(顧客生涯価値)の簡易計算式
LTV = (平均購入単価 × 平均購入頻度) × 継続期間
(例:平均単価10万円、年2回購入、5年継続の場合、LTVは100万円)
LTVとCPOの関係:投資限界点の設定
ダイレクトマーケティングの投資判断は、以下の原則に従います。
【原則】LTV > CPO(顧客生涯価値は、顧客獲得コストを上回らなければならない)
LTVが100万円であれば、CPO(顧客獲得にかける費用)は99万円まで許容できるということになります。LTVを明確にすることで、競合他社が手を出せないほどの広告投資も可能になります。
LTVを最大化するための戦略
顧客単価を向上させる(アップセル・クロスセル)
顧客の継続期間が変わらなくても、一度あたりの取引単価が上がればLTVは向上します。
* より高機能な上位プランへのアップセル
* 関連性の高い周辺サービスやオプションのクロスセル
これらは、顧客満足度が高まったタイミングで積極的に行うべきです。
継続期間を延ばす(チャーンレートの改善)
顧客がサービスを解約する割合をチャーンレート(解約率)と呼びます。BtoBにおいてLTVを上げる最も確実な方法は、解約率を下げ、顧客との継続期間を延ばすことです。
顧客が成果を出せるよう、定期的なサポートやフィードバックを行うことが求められます。
顧客ロイヤリティを高める
顧客が「この会社でなければならない」と感じるロイヤリティを高めることは、継続期間に直結します。単なるサービス提供に留まらず、業界のノウハウを継続的に提供したり、限定的な情報を提供したりするリードナーチャリングもLTV向上に貢献します。
まとめ:LTVの意識が競争優位性を生む
LTVを意識した経営は、価格競争から脱却し、顧客との長期的なパートナーシップを築く基盤になります。
LTVの値を正確に把握することで、競合他社よりも高いCPO(広告費)をかけることが可能になり、結果として市場での競争優位性を確立できます。
ぜひ、御社のLTVを算出し、最適な営業投資の限界点を明確にしてください。
LTVに関するよくある質問
- Q. LTV(Life Time Value)とは何ですか?
- A. 「顧客生涯価値」と訳され、ある顧客が取引開始から終了までに、自社にどれだけの利益をもたらしてくれるかを算出した指標です。単発の売上ではなく、長期的な関係性から得られる総利益を指します。
- Q. なぜBtoB営業でLTVが重要なのですか?
- A. LTVを把握することで、「1社の獲得にいくらまでコスト(CPO)をかけられるか」という投資判断が正確になるからです。LTVが高いなら、初回取引が赤字でも積極的に広告を打つという戦略的な判断が可能になります。
合わせて読みたい関連用語
- 基礎理論(親記事): ダイレクトマーケティングとは?
- 獲得コストの指標: CPR(反応単価) / CPO(獲得単価)
- 関連手法: アップセル / リードナーチャリング
参照・引用元サイト
本記事の用語定義および計算式は、以下の専門機関のガイドラインを参照しています。
- 公益社団法人 日本通信販売協会 (JADMA)
- Association of National Advertisers (ANA)
※米国ダイレクトマーケティング協会(DMA)の統合先機関

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